梅は果物に分類されますが、糖分は少なく酸味が強い食品です。
実には毒があるのに加工されると健康食品に変わる梅。
梅干しの効果や効能についてみていきましょう。
目次
梅干しの効果効能はどんなものがあるか

以前、子供の活動のボランティアをしている方から聞いたことですが、登山やハイキングでは一番先に手が出るのが梅干しのおにぎりだとのこと。普段は梅干しを食べない子供でも梅干しのおにぎりに手を伸ばしているそうです。
無意識のうちに体が欲しているものがわかるのでしょうか。
梅干しに豊富に含まれる有機酸が疲労回復に優れた力を発揮します。
他にも二日酔い、便秘、せき止め、神経痛の緩和もしてくれます。
そうそう、昔は歯が痛いとほっぺに梅干しを貼り付けませんでしたか?
梅干しの効果効能は豊富なクエン酸のおかげ

梅の特徴は強い酸味です。酸味の成分は有機酸です。
未熟なときはリンゴ酸、成長するにつれてクエン酸が増えます。他にコハク酸なども含みます。
この豊富に含まれているクエン酸は炭水化物の代謝になくてはならないものです。
炭水化物の代謝がスムーズに行われることで疲労回復が早くなったり、スタミナが増進されたりします。
クエン酸は疲労の原因物質や肩こりや腰痛の原因ともなる乳酸の生成を抑えます。
肥満や過酸化脂質の生成を抑制したりする機能もあるので、シミやそばかす、ダイエットや生活習慣病の予防にも役立ちます。
梅干しのクエン酸で梅雨を乗り切りましょう

以下は給食時間用の児童向けに作った一言メモです。短い中で盛り込んでしまっていますが、梅干しの効能は伝わるかと思います。
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そろそろ 「梅雨入り」 の 知らせが 届く季節に なりました。
今は 冷蔵庫も クーラーも 使えるので、困りませんが昔は 梅雨に入って 毎日 雨が 続くと 「むしむし」 してかびが はえたり、食欲が 落ちたり しました。
そこで 昔の 人は いろいろな 工夫を しました。
「梅干し」も その ひとつです。
梅干しは よい 働きを する 食べもの です。
まず、「梅干し」 には 「クエン酸」 と いう すっぱさの もとが 疲れや だるさを とります。レモンの酸っぱさも「クエン酸」ですから同じですね。
食欲がないときでも梅干しを混ぜたご飯ならふしぎと食べられますね。うっとうしい梅雨時にぴったりのご飯です。
そして、雑菌が 増えるも 防ぎます。
梅干しは 食あたりを 防ぐと 昔から 言われて います。
昔から 梅干しは 「健康食品」 と いわれて きました。
昔の人は 身近にある 食べものから暑さ寒さに 負けない体作りの 工夫を したのですね。
たくさん食べると 塩分の 取り過ぎに なりますが、梅干しを じょうずに 取り入れると いいですね。
青梅の毒はどんなもの?
さて良いことずくめの梅。梅干しを作るための追熟期間、家に置くとだんだんと良い香りがしてきます。
色もアンズのようになってくると、どんな味だろうと、ちょっと味見してみたくなりますが「毒があるからダメッ」といわれたことはありませんか?
未熟な梅の実には青酸配糖体のアミグダリンという毒素が含まれています。
種の中の「仁(じん)」には果肉より多量のアミグダリンを含みますので生の梅の種をかみ砕かないように気をつけましょう。
果肉に含まれるのは微量なので一度に何十個も食べなければ人体に大きな影響はないといわれます。完熟すると毒素はなくなります。
やはり未熟なうちに鳥や虫に食べられないようにするためですね。
梅干しや梅酒にすると分解されて人体への影響はなくなるそうです。
兵糧食や日の丸弁当の歴史

梅干しのクエン酸の働きで菌の増殖を抑え腐敗や食中毒の予防とされていた梅干しは戦国時代、兵糧食として重宝されたり、泥水を飲んだときの病気の予防薬として使われてきました。
また、戦時中の食事としてぜいたくをいましめ戦場にいる兵士に思いを寄せるために日の丸弁当を持ってくる日が決められていました。質素の見本として語りつがれている日の丸弁当ですが、ご飯の量がそれなりにあるとたんぱく質もそれなりに摂れるため、炭水化物とクエン酸の組合わせとして栄養学の面から紐解かれています。
【まとめ】梅干しは薬効が高く日本食と深い関わりを持っています
酸っぱさのもとクエン酸には菌の増殖を抑え、腐敗や食中毒の予防に役立ってきました。
また、クエン酸はエネルギー代謝に大きく関わって疲労回復、食欲増進の効果をもたらせてくれています。
生のままだと毒があリますが見事な保存方法を編み出して重宝な加工食品として生活に根付いています。
塩分が高い食品ですが、低塩の工夫をしたものや酸味をカバーした商品、カリカリ梅など、食べやすい梅干しもあり、消費も増えている様です。
この先も梅干しの良さが引き継がれていってほしいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
〈参考〉
- 高橋書店:新しい栄養学
- 新星出版社:日本の食材図鑑
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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