鶏肉の部位を解説

鶏の丸焼き

 

鶏肉の部位、特に手羽と呼ばれる部分があやしかったのですが、手羽を三部位に分けることで、すっきりしました。それはチューリップと呼ばれる部位です。

鶏肉の部位がわからない!? では、ご一緒に確認しましょう♪

鶏肉の部位の販売表示、肉は五つ

鶏肉の部位の図

群羊社:たべもの・食育図鑑より

肉屋さんで流通させるときの統一された表示によると、肉は五つ、内臓は三つに分けられます。

肉の分類

1 手羽

手羽もと

手羽もと

手羽なか

手羽なか

てばさき

手羽さき

手羽類は「手羽もと」と「手羽さき」「手羽なか」に分けられます。

「手羽もと」は上腕部分、「手羽さき」は上腕から手羽もとをのぞいた残りの部分です。「手羽なか」は「手羽さき」から手指をのぞいた部分をいいます。形状から「チューリップ」とも呼びます。

「手羽もと」より「手羽さき」のほうが味が濃厚といわれます。

肉は白っぽく、やわらかです。脂肪やゼラチンに富んで味にコクがあります。煮物や揚げ物にあいます。

2 むね肉

むね肉

むね肉

胸の部分です。骨付きもありますが、骨を取り除いた胸の生肉だけのものが一般的です。

肉質はやわらかく脂肪分が少ないので味は淡泊です。油の風味とよくあうのでフライドチキンなどに向いています。

近年注目の部位でもあります。

3 もも肉

もも肉

もも肉

足からももの付け根の部分です。

骨付きはレッグと呼びます。店頭では骨なしが一般的ですが、クリスマスなどには骨付きも多く出回ります。豪華ですが、しっかり加熱するのに時間がかかります。関節から先はドラムスティックと呼んでいます。

肉質はむね肉よりかたく筋があります。脂肪が多く、味にコクがあります。焼き物、煮物に向きます。

4 ささみ

ささみ

ささみ みつせ鶏本舗Webページより

ささみは胸の骨に沿って左右1本ずつ、ついています。

形が笹の葉に似ているので「ささみ」と呼ばれます。牛肉・豚肉のヒレに相当するところで肉質はやわらかく、白身の肉で脂肪分が少なく、味はたんぱくで、最高の部位とされています。

さっとゆでたり、新鮮なものは刺身で食べたりもします。

※新鮮なささみでも、さっと熱湯にくぐらせる湯引きなどをしてから召し上がることをおすすめします。

5 皮

脂肪分が多くやわらかい。味は濃厚で、胴体よりも首の方の皮が味があるといわれます。

皮の裏の脂肪をとって、湯通ししてから炒め物、煮物、和え物などに利用します。他の肉に比べて価格は安いです。

鶏肉の部位の販売表示、内臓は三つ

内臓の分類

内臓は、肝臓と心臓を「きも」と表示されます。

1 きも(心臓)

心臓

心臓

鶏は心臓と肝臓がついた状態で状態で売られることが多いです。

鶏の心臓は「ハツ」とも呼びます。しっかりした心筋なので独特の歯触りがあります。周辺の脂肪を取り、薄皮もむいて、縦半分に切って残っている血を流します。3%程度の塩水でもみ洗いして、流し洗いした後、調理します。ビタミンAが豊富です。

2 きも(肝臓)

肝臓

肝臓

レバーとも呼びます。

牛や豚のレバーよりやわらかくきめが細かく濃厚な舌触りです。クセがなく食べやすいレバーです。

たんぱく質、ビタミンA、B1、B2、鉄が豊富です。

脂や筋をとって、3%程度の塩水に30分ほどつけて、よく水洗いするとさらに食べやすくなります。

3 砂肝(筋胃)

砂肝

砂肝

砂肝は胃です。ニワトリは歯がなく、えさを丸呑みします。胃にためた小石や砂でこすり合わせるようにして砕きます。そのために胃の筋肉は発達して丈夫です。砂肝はニワトリ特有の内臓といえます。

「筋胃」「スナブクロ」「サノウ」ともいいます。

脂肪がほとんどなく、コリコリした歯ごたえでかたいです。臭みが気にならない部位です。もつ焼きが一般的です。筋周辺が青っぽいのが特徴です。

とりガラ

とりガラは統一表示外ですが、スープをとる「だし」用に流通しています。

流通しないところ

頭、足、血液、羽毛などは一般に流通しません。この部位は鶏一羽の重量の約36%です。

鶏肉の栄養の特徴

牛や豚肉と比べて低エネルギー、高たんぱく質です。

メチオニンなどの必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。

脂質は不飽和脂肪酸の割合が多く、コレステロールの心配が少ないと言われます。

若鶏肉の栄養価比べ(生 100g中)

エネルギー kcal たんぱく質 g 脂質 g 鉄 mg ビタミンA ㎍ ビタミンB1 ㎍ ビタミンB2 ㎍
手羽先 皮付き 226 17.4 16.2 0.6 51 0.07 0.09
手羽元 皮付き 197 18.2 12.8 0.5 44 0.08 0.10
むね 皮付き 145 21.3 5.9 0.3 18 0.09 0.10
むね 皮なし 116 23.3 1.9 0.3 9 0.10 0.11
もも 皮付き 204 16.6 14.2 0.6 40 0.10 0.15
ささみ 109 23.9 0.8 0.3 5 0.09 0.11
皮(むね) 492 9.4 48.1 0.3 120 0.02 0.05
心臓 207 14.5 15.5 5.1 700 0.22 1.10
肝臓 111 18.9 3.1 9.0 14,000 0.38 1.80
砂肝 94 18.3 1.8 2.5 4 0.06 0.26

皮をとったむね肉ささみエネルギーが少なくたんぱく質が多い食品です。

鶏レバーのビタミンAがすごい数字です。鉄分も頼もしいです。

【まとめ】鶏の部位は肉が五つ、内臓が三つに分けられています

少ないえさで短期で大きくなるので鶏肉は安価で身近な食品になりました。

脂肪が少なくやわらかいので和、洋、中の料理に適しているので消費が拡大しました。

部位別の特徴を生かした料理方法で鶏肉を利用したいものです。

お読みいただきありがとうございました。

〈参考〉

  • 小学館:新版食材図典
  • 群羊社:たべもの・食育図鑑

☆文中の食品名および栄養価は「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」「同 追補2016年」「同 追補2017年」「同 追補2018年」に準拠しています。

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。