魚偏に雪と書いて「鱈-たら-」、鱈は雪の舞う季節に漁獲され、その白い身からも「鱈」の字はピタッリです。
また、鱈は冬の北国を代表する魚でもあり、切り身、棒だら、すき身になり、たらこ、白子など、日本の食文化を支えています。
栄養豊富で低カロリーな鱈を味わいましょう。
鱈の栄養と効果

タラといえば「マダラ」
脂肪が少ない魚とされていますが、実際に成分表でみても、脂肪の量は突出して少ないですね。脂肪が少ない淡泊な味が魅力で鍋物によく利用されます。
- マダラのたんぱく質は100g中 17.6g 脂質は0.2g
- サンマのたんぱく質は 18.1g 脂質は25.6g
- マグロのたんぱく質は26.4g 脂質は1.4g
タラの仲間は脂肪が極めて少ないのですが、肝臓には多く、肝油にはビタミンAが多量に含まれています。
たらちりなどの鍋料理にして加熱するとチオプロリンというアミノ酸ができて、体内で発がん性物質ができるのを抑制することが研究されています。
白子には核酸が

マダラの白子には核酸が含まれていて、とてもコクがあり、高級品として扱われています。
核酸は細胞の分裂と再生に必要です。
体内にある数十兆個差異が右派毎日生まれ変わっています。その細胞の分裂と再生に必須の物質が拡散です。
白子や煮干し、タラなどに大量に含まれます。遺伝子の修復や細胞の活性化、ビタミンB群が体内で機能するのを助ける働きを持っています。
がんや動脈硬化、認知症の予防にも効果があると期待されています。
鱈の加工いろいろ
タラは
- 生のままの切り身
- 塩を施した「塩タラ」
- 開きダラ
- すきみダラ
- 棒ダラ
- かまぼこ類
といろいろあります。
塩タラは冷凍しなくても幾分は保存が利きますので使い勝手がいいようです。
タラは長期に冷凍保存すると身がスポンジ状になり、食味が落ちてしまいます。
北前船にも積まれた「棒だら」

tanken.comより
「北前船」は「きたまえぶね」とよばれました。他にも「きたばえぶね」とか「きたばえせん」ともいわれていたそうです。
北前船が活躍した北前航路の始まりは、幕府領主による領主米(りょうしゅまい)の大坂、江戸への廻送から開発されたものです。
近年初期の海運は主に敦賀(つるが)・小浜コースをとり、商品市場の拡大を刺激しました。
北海道から上方への上り荷には、棒だら、胴ニシン、身欠きニシン、数の子、昆布、長崎への荷(中国輸出向けの煎りナマコ、乾しアワビ、ふかひれ)などをのせました。
一方、下り荷は大坂でみそ、しょうゆ、茶、油などの飲食物をはじめとして様々な生活必需品を、積みこみました。
瀬戸内沿岸では、塩、砂糖、ろうそく、紙などを積み込みました。
中国地方の港では鉄を、敦賀・小浜ではカマス、縄などを、加賀では畳表(たたみおもて)やござなどを積み、越後以北では米を積み込みました。
下り荷は多種に及んでいますが、利益を上げることに関しては上り荷に重点を置いていたようです。
上り荷の昆布は大坂の昆布の佃煮、沖縄の昆布料理として今に伝わっています。棒だらは京都で海老芋に出会い、「芋棒」という郷土料理になりました。
その航路のと中、積み荷を待つ間、船頭さんたちが芋棒に思いを寄せて、積み荷の棒だらと土地の産物の里芋を煮て食べた芋煮が「芋煮会」の発祥であるという説があります。
鱈の料理
タラは脂肪が少ないところから、保存中の油焼けの心配が少なく、乾燥させて保存する方法が編み出されたものと思われます。
切り身
スーパーマーケットでは切り身にして、パックに入って売られています。生の「タラ」と、程よく塩をした「甘塩タラ」があります。私はあれば甘塩タラを買うようにしています。
アクアパッツァなど、そのまま使えるので、とても重宝です。
タラを使った鍋を「たらちり」とよびますが、脂が浮くこともなく、きれいなままで食べ終わることができます。生でも、甘塩タラでもおいしくできると思います。
また、煮付けにもいいですね。私は甘辛の煮汁で作ることが多いです。
そして我が家の定番料理にタラの切り身を使ったものに「アクアパッツァ」があります。フライパンにタラ、アサリ、ブロッコリ-、刻みにんにく、オリーブオイル、塩少々で5分加熱します。
5分経ったら、パセリをはらりとまわしのせて、さらに1~2分、アサリの口が開いたらできあがりです。
干ダラ
私が子供のときには「干鱈(ひだら)」が一般的にありました。今思えば、強めの塩がしてあり、保存に協力していました。
この干鱈をむしってそのままおやつにしたこともあります。また、お茶漬けにしてもおいしかったですね。
スケトウダラ
マダラに比べて、若干小さいスケトウダラは、練りものなどに加工されています。
【まとめ】
1年中、手に入るマダラですが、やはり旬の時期には鍋にして家族で楽しみたいものです。
マダラは身肉には脂肪がとても少なく、あっさりしています。
なべもの、揚げ物などにむくのだと思います。
お読みいただきありがとうございました。
〈参考〉
- 小学館:新版食材図典
- NHK出版:からだのための食材大全
- 群羊社:たべもの・食育図鑑
- 西東社:薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帳
- 家の光協会:和の薬膳食材手帳
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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