シュトーレンの食べ方

シュトーレン

 

イエス・キリストがおくるみに包まれている姿といわれるシュトーレンはドイツで典型的に食べられる発酵菓子です。

クリスマス前の数週間に渡って、薄く切って食べていくそうです。

ゆっくりと楽しむためには合理的な食べ方があるのだとか・・・

シュトーレンの食べ方を見ていきましょう。

 

 

シュトーレンには食べ方がある

 

シュトーレン

 

シュトーレン、ドイツ風には「シュトレン(stollen)」と呼ぶようですが、ドイツの典型的なクリスマスの発酵菓子です。

横に長く真っ白くなるほどの粉糖(ふんとう)におおわれていて、幼子のイエス・キリストがおくるみに包まれている姿をかたどったものだそうです。

11月下旬から12月の初め頃に焼いて、クリスマスの1週間くらい前から朝食やおやつに一切れずつ切って食べていきます。

食べる分だけ一切れずつ切っていくのは乾燥させないため!

このシュトーレン、それなりに大きいですし、一度切ってしまうとどんどん乾燥が進みます。

知らないから、端から1cm位ずつ切っていましたが、なんと真ん中から切るといいそうです。

確かに真ん中から切って、断面を合わせてラップすると乾燥しにくいですね。

ラップでピッチリおおえるといいのですが、粉糖がたくさんついているので、ラップをケチるとどうしてもすき間が・・・

そこで更にアルミホイルでラップをおさえるように包んだり、チャックつきの袋に入れると完璧ですね。

 

すずまり

初めて食べたシュトーレンはほのかにシナモンを感じて、シナモン好きの私はすっかりファンになりました。

 

 

シュトーレンの材料

シュトーレンをこねる

シュトーレンの材料は

  • 小麦粉
  • バターなどの油脂
  • 砂糖
  • ラム酒漬けレーズン
  • レモンピール
  • アーモンド
  • 牛乳
  • マジパン
  • クリームチーズも少々
  • スパイス類

などで作ります。

寒いドイツでは小麦粉は貴重品です。

普段の食事では寒冷地でも作れるライ麦などでパンを作りますが、シュトーレンは貴重な小麦粉を使います

そしておどろくことに油脂分は平均30~50%含まれます。この油脂分が多いことが数ヶ月に渡って食べられる秘密になっています。

 

ラム酒漬けのレーズンも手作りする場合は更に数ヶ月前から仕込むことになります。

ずっしりと焼き上がったシュトーレンのレーズンからラム酒の風味が全体に広がって、大人もおいしく食べられますね。

 

すずまり

カロリーが高いので朝食の補助にしても腹持ちがいいですよ。

でも一日に一切れずつ。ドイツの伝統行事菓子ですから・・・

 

 

本場ドイツでのシュトーレンの食べ方は

 

ドイツのクリスマスマーケット

ドイツのクリスマスマーケット

キリスト教の教会では1年は待降節(たいこうせつ)と書いて「アドヴェント」と読ませる期間から始まるようです。

待降節はクリスマス前の4週間で、主キリストの誕生を祝う準備の期間です。

本場のシュトレンは2㎏以上の重量になるようどっしり作ります。どっしりとしたものは香りが飛びにくく乾燥もゆっくりになります。

これを待降節の4週間の日曜日毎に食べるのだとか。

4週間かけて食べるので、ドライフルーツやマジパンと生地がなじんで熟成が更に進み、異なった風味が楽しめます。

 

 

シュトーレンはクリスマスマーケットでも買えます

シュトーレン

洋菓子屋さんでシュトーレンを扱うところが増えてきました。

デパートなどに入っている有名どころのシュトーレンを年ごとにいろいろ食べ比べるのも楽しいですね。

 

また、近年日本でもおこなわれるようになってきたクリスマスマーケットでは、シュトーレンを売る出店があるものです。

手頃な大きさのものもありますので、試してみてはいかがでしょう。(小さいものでは乾燥に気をつけてくださいね)

「ドイツの冬はもっと寒いんだろうなあ」と思いながら温めたグリューワインを片手にお店を見て回り、シュトーレンをお土産にする。

ちょっとお行儀が悪いですが師走の新しい楽しみ方になりそうですね。

そうそう、赤のグリューワインにはシナモンがつきもので、こちらも私の師走の楽しみになっています。

 

【まとめ】シュトーレンは乾燥を防ぎながらゆっくり楽しむドイツ菓子

シュトーレン

ドイツの伝統発酵菓子のシュトーレンについて書きました。

ドイツでは小麦粉は貴重です。

あのビール純粋令でも、小麦粉の使用は制限されていました。ライ麦もですけれど・・・

それはもったいないから・・・

厳しい寒さのドイツで育まれてきたシュトーレンをいただく伝統は宗教の行事からんでいます。

そのシュトーレンを前にしたとき、食いしん坊の私も一切れずついただきました。

伝統の重みがそうさせたのでしょうか?

貴重な小麦粉を使うからには、ゆっくり楽しみ、油脂をたっぷり使って、カロリーも高く・・・

なかなか合理的ですね。

乾燥を防いでゆっくり楽しむには保存に工夫が必要です。

知らなかったから、端から切っていた。

真ん中から切って断面を合わせてラップに包む」って、しおりに書いてくれればよかったのに、メーカーさんも知らなかったのかも知れませんね。

今年はどこでシュトーレンを手に入れようか画策中のすずまりです。 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

〈参考〉

  • 小学館:食材図典Ⅱ
  • 小学館:さんすくみ⑤

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。