シニアの食生活は「さあにぎやかにいただく」が合い言葉♪

にぎやかな食卓

シニアになったら、メタボリックシンドロームの心配よりもバランス良く、しっかり食べることに力を入れるべき!と言われます。

シニアの低栄養は身体的にも精神的にもひ弱になってしまいます。

いつまでも元気はつらつと毎日を送るための、食の合い言葉「さあにぎやかにいただく」の内容を見ていきましょう。

 

 

シニアの食生活は「さあにぎやかにいただく」で栄養の偏りなし♪

ロコモチャレンジ!推進協議会が考案した合い言葉があります。

それが「さあにぎやかにいただく」です。

以下の食品から1日に7点以上を食べましょうとあります。

  • かな
  • ぶら
  • ゅうにゅう
  • さい
  • いそう
  • (に)
  • まご
  • いず
  • だもの

リズミカルな語呂合わせで「いろいろなものをまんべんなく食べましょう」という食行動を推奨しています。

 

かな

魚のカゴ

魚は動物性たんぱく質カルシウムビタミンDが豊富です。

肉に比べて繊維が短いのでシニアでも食べやすい肉質です。

背が青い魚、あじいわしさんまさばなどには不飽和脂肪酸の

  • エイコサペンタエン酸(EPA)
  • ドコサヘキサエン酸(DHA)

が豊富に含まれています。

背青魚は二日に一回食べると良いと聞きます。刺身の他に缶詰も利用すると手軽に準備できて良いと思います。

 

すずまり

不飽和脂肪酸は血中脂質のバランスを整えるといわれますが、それは構造的に不安定なので、血中の悪玉コレステロールなどとも結合して肝臓に戻してくれるからです。

構造的に不安定と言うことは安定を求めて空気中の酸素とも結びついて酸化されやすいと言うことでもあり、鮮度が大切です。

干物なども買ってきたら食べるまで冷凍保存して早めにいただきましょう。

 

背青魚については以下の記事もご覧ください。

アジの栄養で背青魚のパワーを取り込みましょう

紫式部も鰯を食べた?

ぶら

あぶら

程よい油脂分は細胞などを作るのに必要です。

植物性の油はオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸が多く、適度に摂れば血中コレステロールの減少に効果があります。

色の濃い野菜に多く含まれるビタミンAは油に溶ける性質で吸収率がアップします。生で食べるより5倍も吸収率が上がるそうです。

ですが、こちらも青魚の脂と同様、開封後は酸化が進みます。

特に揚げ物に使った油を何度も使うと過酸化脂質を生成して、がんの原因にもなるといわれます。

体によいというものも、鮮度が大切ですね。

 

肉イラスト

肉は良質なたんぱく源の代表です。

日常的に食べる牛肉・豚肉・鶏肉はいずれも良質なたんぱく源ですが、種類・部位によってたんぱく質や脂肪の量が大きく違います。

また、国産か輸入の肉かで価格も違いますので用途によって使い分けましょう。

 

牛肉には鉄分が多いのが特徴です。

豚肉には炭水化物のエネルギー代謝を助けるビタミンB1 が豊富です。

鶏肉消化吸収がよいのが特徴です。骨や皮ごと調理するとコラーゲンも摂れます。

 

肉については以下の記事もご覧ください。

牛肉の栄養は部位で変わるのか、エネルギー、たんぱく質、脂質で比較

豚肉はビタミンB1がたっぷり!スタミナ補給・疲労回復効果に効く

鶏肉の部位を解説

 

ゅうにゅう

牛乳

 

牛乳はたんぱく質カルシウムが豊富です。

カルシウムは体内では吸収利用されにくいとされていますが、牛乳中の乳糖やカゼインホスホペプチドはカルシウムの吸収率を高めてくれます。

また、牛乳は加熱しても栄養成分に変化がないためシチューなどに最適でシニアにもおすすめです。

 

牛乳については以下の記事もご覧ください。

牛乳の糖質は糖質制限中でも大丈夫?

「牛乳神話はもうやめよう」って、やめてどうするの!?

 

さい

野菜カゴ

野菜はビタミン食物繊維の宝庫です。

副食として汁物に使ったり、煮物やゆでものにしてカサを少なくしてたっぷり摂りたいですね。

 

いそう

わかめ

海藻は低エネルギーでもミネラル食物繊維が豊富です。

特にヨウ素が豊富です。ヨウ素は新陳代謝を活発にして成長を促進したり、甲状腺ホルモンの成分になったりと、育ち盛りには不可欠な食べものです。

わかめやもずくのぬめり成分は食物繊維のフコイダンです。フコイダンには抗がん作用、抗菌作用、コレステロール上昇抑制などに働きます。

 

海藻については以下の記事もご覧ください。

昆布の種類と特徴

 

 

(に)

 

じゃがいも

いも類には糖質が豊富です。エネルギーを補給し、ビタミンや・ミネラルをチャージします。

いも類に含まれるビタミンCは熱に強いといわれます。熱ででんぷんが糊化することによって破壊から守られます。

 

いもについては以下の記事もご覧ください。

じゃがいものビタミンCはほうれん草と同等!航海や越冬食に必須の食品

さつまいもの歴史

里芋は縄文時代からのお付き合い

 

まご

たまご

たまごはいろいろな調理法で簡単にたんぱく質が摂れます。

良質といわれるたんぱく質やレシチンを含む準完全栄養食品です。

他にも体に有用な成分がたくさんあります。

価格も安定していますし、1日に1~2個は食べたい食品です。

たまごは加熱しすぎるとたんぱく質が変性して消化が悪くなり、胃腸の働きが弱い人には負担になりますので、ほどほどの加熱にしましょう。

なお、たまごの殻(から)は衛生面で心配な点があります。たまごを扱ったときはしっかり手を洗いましょう。

 

たまごについては以下の記事もご覧ください。

卵は1日に何個までなら大丈夫か?悩ましいところです

たまごは物価の優等生は本当か他の食品と比べてみる

 

いず

大豆

大豆にはたんぱく質のもととなる必須アミノ酸やカルシウムが豊富です。

そのままでは消化が悪いのですが納豆やきな粉、豆腐にして毎日積極的に摂りましょう。

 

大豆については以下の記事もご覧ください。

大豆の栄養と機能性の最新情報

黒豆の栄養はダイズとほぼ同じ、ならどこがちがうの?

 

だもの

果物

果物にはビタミン・ミネラルが豊富で、食物繊維も摂れます。

季節を感じる楽しみもあります。

積極的に摂りたい食べものですね。

 

果物については以下の記事もご覧ください。

りんごのことわざ 一日一個のりんごは医者を遠ざける

柿の効果・効能は「神の果実」と言われるほど多い!

 

 

かむ力はいかがですか?

シニアになると虫歯が進行することは少なくなりますが、以前に治療した歯根が気になったり歯ぐきが弱くなりがちです。

さらにあごの筋力も低下、かむ力や飲み込む力が落ちてきてしまいます。

そうした中で硬い食べものをさけていると食べられる食品が偏ってしまいます。それを放っておくとさらにかむ力飲み込む力の老化が進み、低栄養の原因にもなります。

  • こんなに食べられない
  • 肉がかみにくくなってきた。肉はあんまり食べたくないなあ

このような状態になると、食事の楽しみも感じられなくなってしまいます。

時間をかけてしっかりとかんで、飲み込むといった咀嚼(そしゃく)力を維持することが健康長寿には大切です。

 

歯は抜けたままにしない

入れ歯

歯周病などで歯を失ってかめなくなると脳への刺激が減り、その影響は全身に及びます。バランス力が低下し、転倒・認知機能の低下を招きやすく要注意とされています。

正しく義歯を用いて、かかりつけの歯科医で口腔ケアを受けましょう。

義歯でかみ合わせが改善した結果、転倒回数が減少したというケースもあるそうです。

すずまり

かむ力の目標は さきいか、たくあんが食べられる! かどうかです。

いつまでもおいしく食べて健康長寿をめざしたいですね。

 

シニアの低栄養をチェック!

ご飯と味噌汁

次の3点についてチェックしてみましょう。

 

やわらかいものばかり食べていませんか?

かむ力を守って食べるものに偏りがないように気をつけましょう。

 

年を取ったら粗食でいいと思っていませんか?

シニアだけの場合、食事に対してついついあるもので簡単にと思ってしまいます。でも冷蔵庫には残りものと佃煮程度・・・

肉類や油脂類が減るとエネルギーもたんぱく質も不足して低栄養になりがちです。

シニアこそしっかり食べましょう。

 

調理が面倒でいつも同じものを食べていませんか?

ご飯とみそ汁と漬けものだけ・・・では栄養素が偏り不足します。脳も体も弱るもとになってしまいます。

いろいろな食べものを食べましょう。

さあにぎやかにいただく!

  • かな
  • ぶら
  • ゅうにゅう
  • さい
  • いそう
  • (に)
  • まご
  • いず
  • だもの

が合い言葉です。

 

「食べる」フレイル予防については東京都福祉保健局のWebページをご参照ください。

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kaigo_frailty_yobo/yobou/point_eiyo/02.html

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

〈参考〉

  • (株)社会保険出版社:健康長寿新ガイドライン|食生活「食生活の新しい目安」パンフレット
  • 高橋書店:あたらしい栄養

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。