シナモンは世界最古のスパイス

シナモン

 

シナモンは世界最古のスパイスといわれ、ミイラの防腐材としても用いられていたとか。

シナモンの他に「肉桂(にっけい)」「にっき」と読んで親しまれています。

 

 

シナモンは世界最古のスパイスとして使われてきた

ピラミッドの壁画

 

日本人にもなじみが深い定番スパイスとして親しまれているシナモンは人類が使っている最も古いスパイスの一種です。

世界最古の香辛料といわれ、紀元前3000年頃からエジプトなどでミイラの防腐材としても用いられていました。

他にもシナモンはいろいろな効果を持っていることが知られ、古くから生薬として様々に配合されてきたようです。

また、馥郁(ふくいく)とした甘い香りは古代から愛情を示すともいわれて、身分の高い人々の間での贈り物として引っ張りだこでした。

大航海時代にはコショウとともに探し求められた品だったそうです。

 

 

産地により二種のシナモンがあります

シナモンはクスノキ科の常緑樹で、幹や枝の皮を薄くはぎ取って発酵、乾燥させて使います。

水分が抜けるにつれて丸まりやすいので時々手で筒状にしながら乾燥させます。

インド、マレーシアのあたりが原産地です。

厳密に分けると

①スリランカ産を「セイロンシナモン」。下の写真ですが、色がやわらかいですね。

セイロンシナモン

②中国やタイ、インドネシア産を「カシア」と呼んでいます。品種が違うそうです。

下の写真は色が濃いカシアの粉末です。

シナモン粉末

香り成分はほぼ同じものの、カシアの方が香りが強いのが特徴です。

 

 

シナモンの効果は

シナモンとしょうが

シナモンは様々な漢方薬にも使われているようです。

その薬効は「内臓を温めて冷えを取る」ことです。

最近では桂皮アルデヒドという物質が末梢血管を拡張させ手足の先まで血をめぐらせます。また、血管の老化を防止する働きが注目されています。

おもな効能は

  • 体を温める
  • 冷えを改善
  • 美肌効果
  • 貧血予防

ただし、何事も過剰な摂取はよくありません。とくに妊婦さんは注意が必要です。

菓子類や飲み物の風味付けやスパイシーな料理など日常の範囲なら心配はありません

 

 

シナモンの使い方

アップルパイ

シナモンは砂糖と好相性のところから焼き菓子やコンポートなどに使ったり、あるいはスパイシーな料理に使われます。

 

焼き菓子作りやティータイムに

アップルパイやシナモンロールパン、フレンチトースト、クレープなどの菓子に利用されています。

菓子類にはパウダーを混ぜ込んだり、仕上げにふったりします。

フルーツケーキやクリスマス前に食べるシュトーレンにもほのかにシナモンが香って、好きな味です。

シュトーレンについては以下の記事もご覧ください。

シュトーレンの食べ方

 

特にフルーツとの相性がいいですね。りんご、桃、洋梨のコンポートやタルトに加えると味が引きしまります。

シナモンティー

また、巻いた状態になっているスティック状のシナモンをスプーン代わりにカプチーノコーヒーや紅茶に添えるとシナモン特有の香りが楽しめます。

 

グリューワインは冬の楽しみ

グリューワイン

シナモンはワインやラム酒の香り付けにも合います。

赤ワインを温めて飲むドイツのグリューワインにもシナモンが香ります。

寒い中のクリスマスマーケットを温めたシナモン香るグリューワインを片手に買い物を楽しむのは理にかなっていますね。

 

肉料理にも

肉を煮込んだり、カレー作りで油に香りを移して使います。ラム肉やひき肉の臭み消しにもおすすめです。

肉の下味付けの際に調味料にシナモンのパウダーを少量加えると肉の臭み消しになります。

 

ミックススパイスのベースとしても活躍

ミックススパイス

ガラムマサラはインド料理に用いる混合香辛料です。ガラムは熱い。マサラは混ぜ合わせたものの意味だそうです(広辞苑より)

そのガラムマサラの主要材料がシナモンです。

 

京都の八橋にもシナモンが

昨今は「京都の八橋」というと、あんやチョコクリームなどを挟んだ「生八つ橋」が多くなりましたが、昔から変らないのが上の写真の八橋煎餅です。

八橋煎餅は米の粉を練って蒸し、砂糖、シナモンのパウダー、はちみつを加えてこね、伸ばして切りそろえ、琴の形に焼いたものです。京都の聖護院の名産の伝統菓子です。

子供の頃から好きな味です。

 

 

【まとめ】シナモンには心を静めるよい香りと温め効果が

シナモンは世界最古のスパイスとして親しまれてきました。

甘い香りと体を温める薬効が重宝されてきたシナモンです。

シナモンには他にもいろいろな効果がありますが、まずはあの香りがシナモン好きにはたまらないですね。 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

〈参考〉

  • PHP研究所:専門店が教えるスパイスの基本
  • 世界文化社:いちばんくわしいスパイス便利帳
  • 小学館:新版食材図典
  • 西東社:薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帳
  • 家の光協会:和の薬膳食材手帳

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

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管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。