しめじの栄養と効能

しめじ

 

世界に約1万種あるといわれるキノコのうち、日本には約3000種が確認されています。そのうち食べられるキノコは80~100種といわれています。「香り松茸、味しめじ」といわれるしめじの栄養と効能について見ていきましょう。

 

 

しめじの栄養は

「きのこは食物繊維が多いけれど、栄養は大してない」というのを耳にしたことはありませんか。

しめじの五大栄養素はどうなっているのか、書き出してみます。

100g中 ほんしめじ ぶなしめじ 生しいたけ えのきたけ まいたけ
エネルギー kcal 12 17 19 22 15
水分 g 93.6 91.1 90.3 88.6 92.7
たんぱく質 g 2.5 2.7 3.0 2.7 2.0
脂質 g 0.4 0.5 0.3 0.2 0.5
炭水化物 g 2.8 4.8 5.7 7.6 4.4
ミネラル
ナトリウム mg 1 2 1 2 0
カリウム mg 310 370 280 340 230
カルシウム mg 2 1 1 微量 微量
マグネシウム mg 8 11 15 15 10
リン mg 76 96 87 110 54
鉄 mg 0.6 0.5 0.3 1.1 0.2
亜鉛 mg 0.7 0.5 1.0 0.6 0.7
ビタミン
D ㎍ 0.6 0.5 0.4 0.9 4.9
B1 ㎍ 0.07 0.15 0.13 0.24 0.09
B2 ㎍ 0.28 0.17 0.20 0.17 0.19
葉酸 ㎍ 24 29 44 75 53
C mg 0 0 0 0 0

(しいたけは菌床栽培の数値です)

確かに水分が多く、たんぱく質、脂質、炭水化物はほとんど期待できない食べものです。

ですが、きのこ類は民族や地域によって違いがありますが、とても好まれている食品です。

栄養素だけではなく、歯ごたえや味、香りや季節感五感を楽しませてくれるからでしょう。

きのこは健康志向の高まりから、低エネルギーで食物繊維を含む食品として注目されています。しめじも1年を通じて栽培され消費されています。

 

 

しめじの効能は

 

 

ブナシメジ

 

うま味成分のグアニル酸に加えアミノ酸をバランスよく含みます。そのため、味も効能もなかなかのものです。さすが松茸と肩を並べる実力です。

しめじにあるβ(ベーター)-グルカンは食物繊維

しめじに含まれるβ-グルカンは植物や菌類、細菌など自然界に広く分布しているものです。

グルコースが多数結合したものですが、体内で分解できないのでエネルギーにならず腸内環境を整える働きをします。

免疫を整える作用、抗がん作用があることが知られています。

 

 

ビタミンDはカルシウムの吸収率を上げてくれます

きのこ類に期待できる、ビタミンDは腸管でのカルシウムの吸収を促進するほか、体内でのカルシウム代謝のコントロールをして骨や歯などの形成に役立っています。

紫外線に当てることでビタミンD2に変るエルゴステロールも多く含んでいます。

ビタミンDは過剰でも欠乏でも骨の形成に影響が出ます。

 

ビタミンB2が多く活性酸素を阻害する

きのこの中でもしめじはビタミンB2が多く含まれています。

ビタミンB2はエネルギー代謝に関わり、活性酸素と結びつき、働きを阻害する効果があります。

活性酸素については以下の記事をご参照ください。

活性酸素をなかったことにするファイトケミカルを解説!その抗酸化作用は?

 

すずまり

ビタミンB2は水溶性なので、しめじから出た水分も一緒に食べましょう。

 

しめじのオルニチンはシジミ以上

肝臓の代謝機能を高めたり、成長ホルモンの分泌をうながすオルニチン

シジミに含まれることで有名ですが、しめじにはシジミの約7倍含まれていいます。

 

しめじのダイエット効果

しめじに含まれるレクチンは食べ過ぎを防ぎダイエットにも効果を発揮してくれます

レクチンとは

レクチンはたんぱく質の一種です。長く連なった糖の分子たんぱく質が結合したものです。免疫力を高めるといわれています。

さまざまな食べものに含まれているそうですが、特に植物性のものに多いです。

 

しめじの美肌効果

しめじに含まれるチロシナーゼ阻害物質がシミのもとになるメラニン色素の生成を抑えてくれます。美肌造りにもうれしい効能ですね。

 

 

菌床栽培がほとんどです

菌床栽培

「香り松茸、味しめじ」といわれる程、深い味わいがあるしめじは秋の味覚の横綱級です。

天然の本しめじは赤松と雑木林が混じった林に生えます。

栽培が難しいため、今はおもに菌床栽培のぶなしめじが流通しています。

 

 

しめじは洗わない

 

しめじの炒め物

水で洗うと風味が落ちますし、水っぽくなります。石突きを切り落ちしたら、食べやすくほぐしてそのまま使えます。

汚れが気になる場合は調理の直前に水でさっと流す程度にしましょう。

しめじ特有のプリッとした食感は加熱しても保っていますが、長時間の加熱で弾力が失われます。火が通る程度に最後の方で加えましょう。

 

 

夏場がお得?

寒い季節の鍋の需要がない夏場は、同じ価格でも増量していたり価格が下がる傾向があるので、スープやマリネなどで楽しみましょう。

 

しめじの保存は

水気をさけて石突きをつけたままポリ袋に入れ、野菜室で保存します。

日持ちしないので早めに使いましょう。

なお、冷凍もできます。

洗わずに石突きを切り落として小房に分けて、チャックつきの保存袋に入れます。

 

 

しめじを漢字で書くと 湿地・占地となります(広辞苑)

 

しめじ

しめじは多数が塊(かたまり)状になって茎のところで癒着(ゆちゃく)してひと株になっています。

湿ったところを好むから「湿地」? 塊状態で面積を取る、地を占めるから「占地」?

昔の人の見方、考え方はどんなだったろうと想像するのは楽しいですね。

 

 

【まとめ】栄養価は高くないが数々の効能がある

「香り松茸 味しめじ」といわれるしめじは、年間を通して消費されている人気者です。

しめじのβ-グルカン免疫を整え抗がん作用があることが知られています。

また、美肌効果ダイエット効果もあるようです。

加熱しても歯ごたえが残るしめじを積極的に食卓に取り入れましょう。

以下にきのこについて載せました。ご覧ください。

きのこの種類で異なる栄養と効果

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

〈参考〉

  • 小学館:新版食材図典
  • NHK出版:からだのための食材大全
  • 家の光協会:和の薬膳食材手帳

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

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管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。