落花生とピーナッツは同じもの?

落花生

 

ご存じ千葉県八街(やちまた)は落花生の産地です。

ひと頃ピーナッツに発がん性のあるカビがつくことがあるとの注意喚起がありました。

八街の殻付き落花生は国産品としてお値段もなかなかですが、おいしく安心して食べられると思いました。

落花生、ピーナッツ、南京豆(なんきんまめ)といろいろな呼び方があり、適当に(?)呼び分けてきましたが、商品となったときに違いがあるのでしょうか。

落花生とピーナッツは同じものをさすのか違うものなのか、効果や効能と合わせて見ていきたいと思います。

落花生とピーナッツは同じもの?

 

落花生

落花生とピーナッツが同じものかどうか、まずは国語的にアプローチしてみましょう。広辞苑をひも解きます(電子辞書ですが)

落花生
マメ科の一年生作物。ボリビアなどアンデス地域の原産。世界中で広く栽培され、豆類では大豆に次ぐ。インド・中国で多く栽培。日本には18世紀初め中国から渡来。匍匐(ほふく)性と立性がある。開花・受精後、子房の柄が長く下に延び、地下に入って繭の形の莢果(きょうか)を結ぶ。種子は脂肪に富んで、食用にし、また油を採る。らっかしょう。南京豆。唐人豆。異人豆。関東豆。ピーナッツ。〈季秋) (岩波書店:広辞苑第七版〉

とありました。もう、網羅してありますね。

南京豆もピーナッツも落花生でよいでしょう。

何事も簡潔に一言で表せないとダメだと聞いたことがあります。広辞苑は必要にして十分なことが書いてあるので栄養学の語句などもどんな風に書いてあるのかと引いてみることがあります。

私は広辞苑が慣れているのですが、辞書にはそれぞれ個性があり比べてみるのも面白いそうです。

次はピーナツを見てみます。

ピーナッツ

落花生。南京豆。特に、殻・皮をとり塩などで調味したもの。「バター・―」

→ピーナッツ・バター

とあります。

そうそう実は私「バターピーナッツ」と「ピーナッツバター」の違いを今まできちんと認識してきませんでした。ここで引き続き広辞苑を引きます。

バターピーナッツ

落花生の渋皮を除いて油で煎りつけ、食塩・植物性油脂で調味をしたもの。

バターピーナッツはつまんでいただくものですね。柿の種と一緒に入っている、いくらでもいただけるおつまみです。

ピーナッツバター

落花生を煎ってすりつぶしたペースト状の食品。乳脂肪分は含まない。

対してピーナッツバターはバター状にペーストになっている状態です。

私の中では甘くてパンに塗るとおいしいもののイメージがありますが、甘みは必須なんでしょうか?

私が買い物をするスーパーマーケットのバターコーナーには「ピーナッツバター」はありませんでした。あるのはジャムやはちみつと同じ棚に甘味料を加えたパンに塗る用途のものでした。

蛇足ですが、いりごまなどを置くところにすりごまのように細かくなったピーナッツがありました。

南京豆
→落花生の別称。
唐人豆
落花生の別称。南京豆。
関東豆
記載なし

広辞苑では以上でした。

落花生の説明に「関東豆」とありますがそれについては触れてなかったですね。今は関東豆とは耳にしないからでしょう。

落花生の豆の付き方が変わっています

掘りあげた落花生

落花生は広辞苑に書いてあったように木の実ではなく豆の仲間です。

夏に咲く黄色い花が落ちると、花の根元からかたいつるが出ます。子房柄(しぼうへい)と呼ぶこのつるを地中に伸ばして実を結ぶ様子から「落花生」の名がつきました。

落花生の栄養価

落花生は豆の仲間ですが成分表では「種実類」に分類されますので、このブログ内でもナッツのカテゴリーとしました。

日本産の落花生に多い「大粒 乾燥品」と 「アーモンド 乾燥品」の栄養価を比べてみました。

100g中 落花生 大粒 乾 アーモンド 乾
エネルギー    kcal 560 587
たんぱく質     g 25.5 19.6
脂質        g 47 51.8
   飽和脂肪酸       g 8.25 3.95
   一価不飽和脂肪酸  g 22.57 33.61
   多価不飽和脂肪酸  g 13.59 12.12
   コレステロール   g 0
炭水化物        g 19.4 20.9
   食物繊維総量      g 8.5 10.1
ナトリウム     mg 2 1
カリウム      mg 740 760
カルシウム     mg 49 250
マグネシウム    mg 170 290
リン        mg 380 460
鉄         mg 1.6 3.6
亜鉛        mg 2.3 3.6
ビタミンE(総量 ) mg 19.1 31.4
ビタミンB1            mg 0.41 0.2
ビタミンB2            mg 0.1 1.06

若干の多少はあるものの、落花生もアーモンドも脂肪分がとても多いことがわかります。その結果エネルギーも多いですね。

脂肪は多いですがコレステロールはありません

不飽和脂肪酸では体によいとされるオレイン酸 リノール酸があります。

  • オレイン酸・・・一価不飽和脂肪酸です。他の脂肪酸と異なり酸化しにくい特徴があります。血中コレステロールを減らす作用があります。
  • リノール酸・・・多価不飽和脂肪酸の一つです。血中コレステロールを減らして高血圧や動脈硬化を予防します。

脂肪は消化がよくないので食べ過ぎには注意しましょう

たんぱく質ではメチオニンを多く含みます。メチオニンは必須アミノ酸の一つです。解毒作用や抗腫瘍作用があり、肝臓の働きを補佐して強めます

ビタミンB1・ビタミンEが多く、健康食品として優れているといえます。

取り過ぎはアレルギーの原因になることがあります。 

ピーナッツアレルギーが増えています

保育園や学校の給食現場では食物アレルギーの対応が年々増えている状況にあります。

その中でもピーナッツやくるみなどのアレルギーが多く、給食ではナッツ類を献立に取り入れない対応をしている自治体もあるようです。

ピーナッツは少量でも重篤なアレルギー反応を起こす可能性の高いアレルゲンです

ピーナッツアレルギーの原因物質は、ピーナッツに含まれるヒスチジンが微生物によってヒスタミンに変わり、それが気管支を収縮させたりじんましんを起こします。

ピーナッツを使っているとハッキリわかる形ではなく、いろいろな加工品にピーナッツの成分が使われていることがありますので注意が必要です。

学校や保育園で気をつけていても、友達の家でのおやつや遠足のおやつ交換など注意が必要です。

外国産ピーナツについていたカビはアフラトキシンです

アフラトキシンは1960年にイギリスで10万羽以上の七面鳥が死亡した事件から発見されました。
アフラトキシンは天然物でもっとも強力な発がん物質として知られるようになりました。急性中毒の例も慢性中毒の例もあるそうです。ピーナッツおよびピーナッツバターなどの加工品、ピスタチオナッツ、とうもろこし、ハトムギ、そば粉などの穀類や加工品、香辛料、豆類、ナチュラルチーズなどの多くの食品から検出されたそうです。しかし検出されたものの大半は微量で、直ちに人の健康に影響する心配はない量だそうです。また、検出されたものはすべて外国産で国内産のものからアフラトキシンが検出されたケースはないそうです。

落花生の栽培歴はまだ浅いです

植え付けた落花生

南アメリカ原産です。世界各地に伝わったのは新大陸到達以降で、各地で栽培が盛んになったのは19世紀以降です。

日本に導入されたのは江戸時代といわれています。

本格的に栽培が始まったのは明治以降です。日本での落花生の歴史は比較的浅いといえます。千葉県八街(やちまた)市の名産になるまで周辺農家の努力があったことと思います。

千葉県八街の落花生は地域ブランドとして商標登録されました

ピーちゃん・ナッちゃん

ピーちゃん・ナッちゃん
千葉県公式観光物産サイトより

『八街産落花生』が、平成19年4月13日付けで商標登録されたそうです。

八街市とその周辺地域でできた渋付き落花生と煎った落花生が対象です。

 このような地元が一体となったきちんとした取り組みは生産者の意欲も向上してさらによいものが栽培されるという、よい循環が生まれることと思います。 

八街に落花生が導入されたのは明治29年ごろで、文違区、住野区で栽培されたのに始まると言われています。八街は周辺の土壌が育成に最適と言われ、農家などの献身的な努力により、落花生栽培は明治末期から急速に発展し、大正初期には特産地となりました。
昭和24年には耕作面積が全耕地の約80%を占め、日本一の生産を誇りました。この頃から「八街の落花生」が全国に知られるようになりました。
また、昭和28年には、全農家中、落花生栽培戸数は95%を占めるほどの発展でした。
現在、収穫量は全国1位を誇り、品質の改良・加工方法の改善などを通じて、八街の落花生は日本一と称賛されています。(八街市公式ホームページより)

 

落花生の豆腐、ジーマーミ豆腐

ジーマーミは沖縄の方言で「落花生」をさします。「地豆」からきているそうです。

沖縄や鹿児島の郷土料理になっています。

ごま豆腐のごまを落花生に、葛粉を芋くず(さつまいもでん粉)に置き換えた様な食品です。

ごま豆腐のように、もちもちとした舌触りと落花生の風味がとてもおいしい豆腐です。

かけるタレの選び方でお酒のお供やデザートになるそうです。

 【まとめ】落花生、ピーナッツ、南京豆は特に決まった使い分けはない

落花生は殻付きで煎ってあるもの、殻から出してあるもの、渋皮もとって塩味をつけたものなどいろいろな状態で流通しています。

脂肪分が多いですが健康にもよい働きをする脂肪です。

食べ過ぎに注意してほどほどを日常的に食べるとよいでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

〈参考〉

  • 岩波書店:広辞苑第七版
  • 小学館:新版食材図典
  • メイツ出版:食材&食べ合わせまるわかりBOOK
  • 高橋書店:新しい栄養学

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

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管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。