20年前の裁判で「利用価値のないおからは産業廃棄物である」という判決まで出た「おから」。
そのおからを保存性を高めたパウダー状態にしたものが熱い視線を浴びています。
メディアでもたびたび取り上げられるおからパウダーのすごいメリットを試してみませんか。
目次
おからパウダーのメリットは
保存できる
生のおからの水分は75%前後、乾燥させたおからパウダーの水分は7%程度で保存性が格段に高くなります。
携帯性が良い
水分が少なくサラサラしているので、小さな密閉容器やチャック付きビニール袋にも入れて持ち運べます。
勤務先の昼食や外食のコーヒーに入れるなど手軽に使えるところがうれしいポイントです。
食物繊維が豊富
なんと言っても豆腐を作った際に出たものです。大豆の繊維がそのまま残っています。
高たんぱく質・高脂質・低糖質
すりつぶして豆乳部分を搾って残ったものですが、大豆のたんぱく質はかなり残っています。
おからの栄養価は
ここで元の大豆とおからパウダー、きな粉、納豆の栄養価を比べてみます。(100g中)
おからパウダー | だいず | きな粉 | |
エネルギー㎉ | 421 | 422 | 450 |
水分 g | 7.1 | 12.4 | 4.0 |
たんぱく質g | 23.1 | 33.8 | 36.7 |
脂質g | 13.6 | 19.7 | 25.7 |
炭水化物g | 52.3 | 29.5 | 28.5 |
食物繊維g | 43.6 | 21.5 | 18.1 |
おからパウダーは一見すると炭水化物が多いのですが、私たちが消化吸収できない食物繊維を含んだ量になっています。食物繊維の量はダントツに多いですね。
おからパウダーはダイエットの補助に利用価値「大」です
おからパウダーは、水分を吸収して腹持ちがいいので甘い誘惑に惑わされなくなります。
コーヒー・ヨーグルトに混ぜて手軽に摂取できます。人によって、舌触りや味の点で違和感を覚える方もいらっしゃると思います。ですがダイエットの鍵として「○○を減らしましょう」では精神的に辛いものがありますが「○○を足しましょう」とすると精神的なハードルが下がって取り組みやすくなります。
実際にダイエットに成功した例もたくさんあります。
おからパウダーをコーヒーに入れて飲んでみました

朝食の後、コーヒーにスプーン1杯入れて飲んでみました。
粉感があり、カップの底に沈みます。かき回しながら飲んで、底に残ったものは少量のお湯を入れて飲み干しました。
ですが驚くことに30分ほどするとお腹がいっぱいになる感覚が有り、次の食事まで甘いものをつまみたくなる誘惑がありませんでした。
これは想像以上にダイエット効果があるかもしれません。
私もこれからおからパウダーコーヒーを朝の習慣にしてみようと思います。
おからパウダーは血糖の上昇を穏やかにして糖尿病を予防・改善する
高たんぱく質・高脂質・低糖質なので血糖の上昇を穏やかにします。
食事のはじめに食べると良いでしょう。
おからパウダーにちょい足しで飽きを防ぐ

味に飽きてくるので他のものを「ちょい足し」するもの方法です。
ちょい足しには糖質主体ではなくクルミなどのナッツ類やアボカドなどの低糖質のものがよいでしょう
コーヒーにはシナモンなどを好みで振りかけると粉感が薄れます。また、ミルクの代わりに豆乳を入れるとソイラテ風になります。
高齢になっても筋肉を維持するために

高齢者でもたんぱく質を積極的にとって筋肉量を落とさないようにしなければいけません。
筋肉を減らさず、さらに筋肉を増やすためには三食で取ることが大切で夜にドカ食いは筋合成のためには好ましいとは言えません。
また、筋肉量を現状維持だけでなく増やしていくためには筋肉合成のスイッチが入るように、たんぱく質をしっかり取らないといけません。
筋肉合成のスイッチは一食につき、若い人でたんぱく質10g 高齢者では20g程必要です。
シニアこそたんぱく質が必要なのですね。
たんぱく質は三食均等に食べる必要があります。朝におからパウダーを使うと手軽で良いですね。
きな粉もおからと作用が似ていて良いです。
朝ご飯の定番の納豆も良い点がたくさんありますが、ご飯が進む点に注意が必要ですね。
おからや納豆のもとになる大豆については以下の記事をご覧ください。
たんぱく質の摂り過ぎはからだにいけないの?
たんぱく質の取り過ぎは腎臓に負担がかかると言われてきましたが、一般的には腎臓に負担がかかるほど食べてはいないといえます。
また、腎臓に負担がかかる量は規定できていないといわれています。
糖質制限はダイエットに有効か?
余談ですが、糖質制限でのダイエット効果について佐々木敏先生(※1)は著書の中で、総エネルギーが同じならば糖質で摂ろうがたんぱく質・脂質多めで摂ろうがほとんど差が出ないとのことです。
ただ日本人は糖尿病になりやすい人種と言われています。ですからおからパウダーの様な食物繊維が多いものを積極的に摂ることはとても良いことだと思います。
運動の前?後? たんぱく質を摂取するタイミングは・・・
たんぱく質摂取は運動の前と後のどちらが筋肉合成により効果があるのか、論文がいろいろ出ています。東京オリンピック・パラリンピックを前にして、スポーツ栄養の分野は人気が高まっています。
論文によると「前が良い」「後が良い」と両方のエビデンスがあるようです。
ただ、食後は消化にエネルギーを使います。運動の種目にもよりますし、試合までの練習プログラムや練習量、個人のコンデションに合わせると良いと思います。
おからパウダーを料理に使うには

おからパウダーには粒が粗いものと細かいものがあります。
粒子が大きく粒感があるもの・・・料理に使うと良い ドリア・雑炊
粒子が細かいもの・・・サモサやケーキ、コーヒーやヨーグルトが合う
料理に小麦粉代わりに使う際の注意点
小麦粉と違ってでんぷん質がないので形成ものはまとまりにくいといえます。そこでパウダーのまま加えるのではなく水でふやかして使うと良いでしょう。また、つなぎとして山芋やデンプンを使うのも一つの方法です。
揚げ物に使う際には1/3をデンプンにするとつきやすくきれいに揚がります。
生のおからは使う前に一手間を

生おからを使う際は600ワットで2分電子レンジにかけると、水分が抜けて香りが立ち味の染み込みが良くなります。
またフライパンでさらに炒ると保存が効くパウダー状態になります。冷凍庫での保存をおすすめしますが、水分が飛んでいると解凍もしやすく使いたいときに手軽に使うことができます。
試してみてください。
【まとめ】おからパウダーはメリットいっぱい
産業廃棄物と決めつけられたおからを乾燥させて利用価値のあるものに変身がかないました。
メリットたっぷりのおからパウダーは
- 保存できる
- 携帯性が良い
- 食物繊維が豊富
- 高たんぱく質・高脂質・低糖質
と時代のニーズにも応えています。
おからパウダーを上手に食生活に取り入れて行きたいですね。
お読みいただきありがとうございました。
※1 佐々木敏先生:日本の栄養学者。専門分野は栄養疫学。東京大学大学院医学系研究科社会予防 疫学分野教授。女子栄養大学客員教授。 いち早く「EBN 」を提唱し、日本人が健康を維持するために摂取すべき栄養素とその量を示したガイドライン「食事摂取基準」策定において、中心的役割を担い続ける。(ウィキペディアより)
EBN:実証的な根拠に基づく医療(広辞苑第七版)
〈参考〉
- NHKの番組:あさイチ5月22日より
- 女子栄養大出版部:佐々木敏の栄養データーはこう読む!
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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