ニラは東アジアのイメージがあります。
中国では紀元前から栽培されていたとか。
日本でも「古事記」や「万葉集」に記述があり、なかなかの歴史です。
一年中流通しているニラですが、旬は3月4月です。
薬効がある野菜として親しまれてきたニラについてみていきましょう。
目次
ニラの栄養はどんなもの?

ニラの特徴はにおいと色、スッと伸びた葉にあります。
古くから薬草として栽培され、多くの薬効成分が知られています。。
その中でもニラの注目成分はなんと言っても匂いのもとになっているアリシンです。
アリシン・・・においの元です
疲労回復・スタミナ強化に
アリシンはイオウを含む化合物で、独特の香り成分です。
硫化アリルのひとつで、ニラをはじめにんにく、ねぎ、たまねぎ類にあり、切って空気に触れることで効果が生まれます。
抗菌作用、抗がん作用が期待されています。
アリシンはスタミナをつける上でどう働くのでしょうか?
アリシンはビタミンB1と結合しやすく、ビタミンB1の吸収を良くします。
長く運動するためには炭水化物からのエネルギー補給が重要です。
炭水化物が分解されてエネルギーに変るためには酵素の働きが必要で、それにはビタミンB1が欠かせません。
ニラにはアリシンが豊富に含まれるため、炭水化物が多い食事では積極的に取りたい野菜です。
エネルギーの補給がスムーズになるため疲労感の軽減にも大いに役立ちます。
また、アリシンには自律神経に作用して、体を温めることから冷え性にも有効といわれています。

ベーターカロテン(ビタミンA)
細胞の老化を抑えてがんを予防
体内でビタミンAに変るβ(ベーター)カロテンが豊富です。β-カロテンは細胞の老化を防ぎ、がんを予防すると言われています。
ビタミンE
がんと動脈硬化を予防
血管と細胞の老化を防ぎます。
がんや動脈硬化、脳の老化など、さまざまな症状と生活習慣病を予防します。
セレン
動脈硬化とがんを予防
老化防止や動脈硬化の予防が期待されているミネラルです。
動脈硬化の引き金になる過酸化脂質の生成を抑えてがんを予防します。
体への効果をまとめると
- がん予防
- 生活習慣病予防
- 疲労回復
- アンチエイジング
ニラとレバー、豚肉は最強の組み合わせ

レバー、豚肉にはビタミンB1がたっぷりです。
ニラに含まれるアリシンはビタミンB1の吸収を良くするので一緒に料理すると効果的です。
中華のメニューにある「レバニラ炒め」はつくづく理にかなった料理だと思います。
ここにビタミンCが加わるとさらに栄養バランスが良くなります。
ニラ、人参、もやしは管理栄養士ご用達?!

同期の家に遊びに行ったとき、ゆで野菜たっぷりの冷しゃぶサラダを用意してくれました。
そのゆで野菜は我が家とおなじ「ニラ、人参、もやし」で、考えることは同じなんだと思ったことがあります。
栄養士が家庭の食事で考えることとは、栄養と価格のコストパフォーマンスがいい、手間がかからなければなお良いという点です。
ニラ、人参、もやしは
- 1年中売っていて、価格が安定しています。
- ニラ、人参は緑黄色野菜でカロテンたっぷりです。
- もやしは価格が魅力です。
- ニラは豚肉にたっぷりあるビタミンB1 の働きをよくします。
多めにゆでて冷蔵しておくととても便利です。
味付けはドレッシング、マヨネーズ、ポンス、めんつゆなど食卓で選べます。
油と一緒だとカロテンの吸収率が良くなるのでポンスやめんつゆで味をつけるときは、ごま油を少々かけると風味も良くなり一石二鳥です。
【まとめ】ニラの栄養はカロテンとアリシン
ニラの特徴は濃い緑色と特徴的なにおいです。
濃い緑はβ-カロテン。
体内ではビタミンAとして働きます。抗酸化作用がありがん予防に有効とされています。
調理には油を使うと吸収がよくなります。
においの元はアリシン。
硫化アリルのひとつです。こちらも抗酸化作用、抗がん作用、抗菌作用が期待されています。
豚肉やレバーと一緒に料理するとビタミンB1の吸収がよくなり、スタミナがつきます。
数々の薬効があるとして、日本でも「古事記」や「万葉集」に記述があり、なかなかの歴史です。
一年中流通しているニラですが、旬は3月4月です。
調理の手間が少ないニラを活用していきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
〈参考〉
- 青春出版社:病気にならない!免疫力を高める野菜
- つちや書店:管理栄養士が教える食材のかしこい食べ方
- NHK出版:からだのための食材大全
- 高橋書店:あたらしい栄養学
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
コメントを残す