もちもちパンとふんわりパン、どちらがお好きですか?
パンには口当たりが異なるものがありますね。何がちがうのか、また他の穀類との違いを考えてみましょう。
目次
もちもちパンとふんわりパンの違いはグルテンの働きの違い

小麦には米や大麦など、他の穀物にはない独特のたんぱく質があります。
そのたんぱく質の名は「グリアジン」と「グルテニン」です。
小麦粉に水を加えて練ることで、「グリアジン」と「グルテニン」が絡み合って「グルテン」になります。
- グリアジンは粘着力が強くて伸びやすいたんぱく質です
- グルテニンは弾力が強くて伸びは少ないたんぱく質です。
この2つのたんぱく質がバランス良く組み合わさって伸びも弾力も適度に備わったグルテンになります。
小麦粉の種類と加える水の量によって弾力ややわらかさが決まります。
同じ小麦粉でも天ぷらやケーキに使うドロドロした生地になるものなど、小麦粉の種類によって様々に変化します。
小麦粉はいろいろな用途に使われますが、これもグルテンが作られる性質があるからで、用途は広くなっています。
強力粉・中力粉・薄力粉の違いはグルテンの量の違い

小麦粉には
- 強力粉
- 中力粉
- 薄力粉
と、三種類ありますが、グルテンの含有量の違いによって分けられています。
グルテンの量が多い順に、強力粉→中力粉→薄力粉となっています。
小麦には粒が固い「硬質小麦」と柔らかい「軟質小麦」があります。
硬質小麦はグルテン量が多く、グルテンの含有量が少ない軟質小麦からは薄力粉が作られます。
小麦 | 製粉 | グルテン含有量 | おもな用途 |
硬質小麦 | 強力粉 | 40%以上 | パン |
普通小麦 | 中力粉 | 25~30% | うどん |
軟質小麦 | 薄力粉 | 20%以下 | ケーキ |
粘りと弾力が欠かせないパンは強力粉、適度な粘りとコシの強さが求められるうどんやそうめんは中力粉、粘りがなくふわふわしたケーキには薄力粉が適しています。
大麦や米でもパンは作れるの?
大麦や米粉でもパンは作れますが、小麦粉で作ったようにふんわりと膨らむパンはできません。
ですが、最近は微粒子の米粉が開発され、弾力があって膨らみやすい米粉のパンが作られるようになりました。
米粉のパンはふわふわよりももっちりしていることが特徴です。
小麦を粉にする訳は・・・

米も麦も中の「胚乳」という部分を食べます。
米は皮が薄くて実が固いので「もみ」と呼ばれる皮を取り除けます。
対して小麦は皮が固く,実が柔らかいので米のようにきれいにむくことが困難です。
そこで皮ごと粉にしてからふるって、あとから皮を取り除くようになりました。
パンのはじめは平焼きパン

始めに小麦を焼いたのは古代メソポタミア地方。
はじめは小麦を粒のまま食べていたようですが、やがて石でこすって粉にして食べる方法に変っていきました。
粉に水を加えて、かゆ状にしたものを焼いた平焼きのパンが生まれました。これを無発酵パンと呼んでいます。
発酵させて柔らかいパンにしたのは古代エジプト人です。
あるとき、焼かずに放っておいたら、腐ったように泡をふいています。これを焼いたところ、香ばしくて、サックリ軽く、おいしかったというわけです。
これが発酵パンの始まりです。
サンドイッチのパンの耳はどこへ行く?

大きなパンの工場ではサンドイッチ用に耳を切り落としてパックされたものが売られています。
このパンの耳、捨てるのはもったいないですね。
パン粉にしたり、製菓の材料にしたり、家畜のエサにも回されて再利用されています。
また、町のサンドイッチ専門店では、パンの耳を袋に入れてお客さんに自由に持ち帰ってもらっているところもあります。
【まとめ】パンは小麦粉の性質により違いがでます
もちもちパンとふんわりパンは、使う小麦粉の種類によってたんぱく質の構成が異なります。
小麦粉のたんぱく質である「グリアジン」と「グルテニン」の構成により弾力や伸びが決まります。
また、米を微細な粉にできるようになり米粉のパンも作られています。米粉のパンはもっちりしています。
世界にはいろいろなパンがあります。日本で買えるものもたくさんあります。パンの食べ比べも楽しいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
〈参考〉
群羊社:たべもの・食育図鑑
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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