3つの食品群「赤・黄・緑」は広島生まれ

3つの食品群

あか・き・みどり 3色の食べものをそろえると栄養のバランスがよい食事になることは、今や幼稚園や保育園でもしっかり取り組んでいる食育です。

この、3つの食品群「赤・黄・緑」は広島で生まれました

「栄養3色」がどのように生まれたのか広島県学校栄養士協議会の資料をお借りして見ていきましょう。

『3つの食品群は』広島生まれ

3つの食品群

大阪市西区Webページより

戦争が終わり、ようやく生活が整ってきた昭和20年代の半ば、まだ栄養について詳しく理解されてはいませんでした。

原爆の大破壊を受けた広島の街は元気が回復していません。そのような中、県民を元気にしようと考え食の改善を考えて考案されたのが「栄養3色運動」です。

栄養3色(3つの食品群)運動
栄養3色(3つの食品群)運動は、昭和27年(1952年)に、広島県庁衛生部公衆栄養課の岡田正美技師が提唱されたのが始まりです。岡田技師は当時、広島県栄養士会の会長もされていました。

岡田技師は、3つの色が揃うようにすると、栄養バランスがとれ、健康な体作りにつながると呼びかけました。

ちなみに岡田正美技師は男性です。

3つの色の旗の店で買ってね!

その当時は冷蔵庫がある家はまだ少なく、食材の買い物はほぼ毎日です。

お店を一軒一軒回って買ったことでしょう。

そこで、お店の前に3色の旗を立てていただき、3つの色がそろうように買い物をすることを薦めました。

  • たんぱく質の食品を売るお店には赤の旗
  • エネルギーになる食品を売るお店には黄色の旗
  • 野菜やくだものを売るお店には緑の旗

赤の旗・・・血や肉になるもの

魚屋さん・肉屋さん・豆腐屋さんには赤の旗を立てました。

黄の旗・・・熱や力になるもの

米屋さんには黄色の旗を立てました。

緑の旗・・・体の調子を整えるもの

八百屋さんには緑の旗を立てました。

『えいようのうた』もよく歌われています

3つの食品群の栄養がとてもわかりやすく読み込まれています。今も食育集会などで歌われる親しみやすい歌です。

♪えいようのうた♪
  1.  からだをつくるの なんでしょう そーれはあーかの たべものよー おにくにさかなに まめたまご ぎゅうにゅうこざかな のり わかめ
  2.  ねーつやちからに なるものは そーれはきいろの たべものよー ごはんにうどんに いもさとう あぶらやバターが エネルギー
  3.  ちょうしをだすもの なんでしょう そーれはみどりの たべものよー きゃべつにきゅうりにねぎだいこん にんじんかぼちゃに ほうれんそう
  4.  あか き みどりを とりそろえ きちんと たべれば じょうぶな子ー うんどうべんきょう おてつだい もりもり かつやく げんきな子

(タロさんの赤ちゃんが風邪引いたのメロディーで歌います)

この歌詞、『3つの食品群』としていますが、実はよく見ると中学校で学習する『6つの食品群』に分かれているんです。

園児や児童に親しみやすい歌詞でありながら、漏れのない食品選定です。なかなかよく考えられた歌詞だと目にするたびに感心しています。

6つの食品群については以下の記事もご覧ください。

「大根おろしに医者いらず」大根は脇役ながらの人気野菜

6つの食品群も基本は3色

六群の図

中学校家庭科教材 六つの基礎食品群の図

栄養素のおもな働きによる食品のグループ分け

おもな働き 栄養素 食品例
体を作る たんぱく質が多い 肉・魚・豆・卵
  〃 無機質が多い 牛乳・小魚・のり・わかめ
熱や力になる 炭水化物が多い ご飯・うどん・芋・砂糖
   〃 脂質が多い 油・バター
調子を出す ビタミンAが多い 人参・かぼちゃ・ほうれん草
   〃 ビタミンCが多い キャベツ・きゅうり・ねぎ・大根

上で紹介しました『えいようのうた』を基に6群に分けてみました。

「食べものをおもな働きで分ける」というようなとき、かならず『おもな』と付け加えます。食べものは人の都合で存在しているわけではないので、単純に分けられないものもあります。

例をあげると「じゃがいも」や「さつまいも」はでんぷん質が多いですが、ビタミンCも期待できます。でんぷんの粒子に守られるのでいも類のビタミンCは熱に強いとされています。

かぼちゃはきれいなオレンジ色でβ-カロテンの宝庫ですが、でんぷん質も結構あります。

海藻類は無機質に入れることが多いですが、体の調子を整える働きもしています。

食品の分類は、地域で使用する教科書に合わせるのがいいのでは・・・と思います。

野菜を食べて、肉や魚を食べて、ご飯も食べる

食事バランスガイド

3つの食品群や教科書に出ている6群の分け方と別に「食事バランスガイド」という分け方があります。

厚生労働省と農林水産省の2省で推進されました。文部科学省は入っていません。

食生活指針では三省合同でしたが、この「食事バランスガイド」は文部科学省は名を連ねませんでした。

この、食事バランスガイドは『何をどれだけ食べればいいのか』を示した画期的なものとして世に出たように思います。

ところが、「何をどれだけ食べればよいか、ざっくり把握(はあく)できればよい」という、この「ざっくり」がかえって難しいのです。

食事バランスガイドは

  1. 主食(ご飯)をしっかり食べる
  2. 野菜料理をしっかり食べる
  3. (たんぱく質の)主菜はほどほどに
  4. 牛乳・くだものも毎日いただきます

というコンセプトでした。

私も研修会に参加し、中学校で食育の授業も何回かさせていただきました。

ですが、どうしたことか、今は世をあげて、1と3の立場が逆転してしまいました。国家プロジェクトだったはずなのに・・・

一般的には『栄養3色』はと呼ばれますが、この食事バランスガイドが推進されていた頃は『』でした。「主食をしっかり食べましょう」として、学校で配る献立表の材料の欄も順番を入れ替えたりしたものです。

今はそれだけ、日本人の血糖値が危機的状況に来ているということなのでしょう。

血糖値は急激に上がることに注意することが大切で、ご飯に罪はないのですが・・・

食事バランスガイドを守った食生活をしていた方々の研究報告もありますので勉強していきたいと思います。

【まとめ】3つの食品群「赤・黄・緑」は親しみやすい

戦後の混乱期をくぐり抜けて少しずつ落ち着きを取り戻した日本の中で、『3つの食品群』が広島で生まれたことは、私には何か象徴的なことに思えます。

小売店にお願いして「赤・黄・緑」の旗を立てたそのアイディアと行動力には脱帽するばかりです。

「体の元気」はもとより「心の元気」も食事が大いに関わっていることを思えば親しみやすく、わかりやすい「栄養3色」を考案されて広まったのは本当にありがたいことです。

時代によって「」や「」や「」にシフトしていることがわかるだけに、やはり他力本願ではなく「自分の健康は自分で守る」ことが大切ですね。

くれぐれも「自分の体で人体実験」とならないように気を配らなければ・・・

昔からのことわざに「腹八分目に医者要らず」というものがあります。

広島で生まれた3つの食品群「赤・黄・緑」と、腹八分目、いや腹7分目を守れば人生100年時代、いけるんじゃないかな~?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

〈参考〉

『広島県学校栄養士協議会設立50周年記念』の資料

東京書籍:新しい家庭科5・6

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

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管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。