日本人は無類のエビ好きといわれます。
いただくのはもちろん、お祝いの料理にも欠かせません。
ピンとしたひげに、くるんと曲がった背中から「海の老人」、そこから「海老-エビ」と名付けられたとか。
いろいろなエビがありますが天ぷらでおいしい車エビは、なぜ「車」なのか、車エビの名の由来を見てみましょう。
車エビの名の由来は姿と模様から

赤いエビが目を引きます。確かに車輪の様ですね。
エビは昔からお祝いの席では欠かせないものとして親しまれてきました。
その中でも江戸時代から日本近海で獲り食べてきたのが車エビです。
活き車エビはゴールドに輝いています。ゆでると鮮やかな赤になるところもおめでたいですね。
からだにある縞模様が丸まると車輪に見えるところから「車エビ」と呼ぶようになりました。
車エビは味も姿もよい高級品種

エビ類は車エビのように泳ぐのに適した品種と伊勢エビのように歩くのに適した品種に大別されます。
約3000種あるエビ類のうち圧倒的に多いのは泳ぐのに適した遊泳型のエビだそうです。
その中で車エビは味も姿もよい最高級の品種といわれています。
確かに美しいですね。天然の芸術品のようで私たちの心をつかみます。
車エビの仲間は・・・
遊泳型のエビはさらに二つに大別されます。
- 車エビのように卵を海中に産み放してしまうエビ
- 幼生が孵化(ふか)するまで卵を抱いて守る小エビ類
また、車エビは体の節がすべて同じ形なのも特徴です。
ブラックタイガー

加熱で濃い赤になるブラックタイガーは車エビの一種でウシエビ、クロエビと呼ばれています。
車エビの中でも大きな品種です。養殖が盛んに行われています。
安価なこともあり、ほぼすべてが輸入物です。
車エビと比べて色の好みが分かれるため、はじめは売れ行きは今ひとつでしたが、加熱後の濃い赤茶色も見慣れると違和感もなくなり、現在では「ブラックタイガー」という商品名で流通していますね。
バナメイエビ

バナメイエビも車エビの仲間です。比較的安価なので買いやすいエビです。
東太平洋原産で食用として広く漁獲、養殖されています。
身は柔らかいです。生食可能なものもあります。
大正エビ
大正エビの名の由来は大正時代のエビ取り扱い業者同士が「大正組」と銘打って共同事業でエビを取り扱いました。その「大正組」にちなんで扱っていたエビを大正エビと呼ぶようになりました。
芝エビ

シバエビ 三重県漁業協同組合Webページより
一般に10~12㎝の小ぶりなエビですが、車エビの仲間です。
昔、東京都港区の芝のあたりでよく取れたことから「シバエビ」の名がつきました。

シバエビは東京湾から南シナ海まで、各地の内湾で卵を産みます。
車エビや大正エビと比べると商品価値が低めです。
活き車エビはおがくずの中で数日間は元気です
車エビや伊勢エビは贈答品としての地位も保っています。木箱やしっかりした紙箱におがくずをきっちり詰め込みその中に埋まるようにして運ばれてきます。
エビはエラ呼吸をするのですが、エラがぬれていれば、酸素を取り込めるので、適度な湿度を保つためにおがくずを詰めます。また、エビ同士が傷つけ合わないよう、クッションの役目もします。
活きエビの輸送は現在はおがくずが使われますが、以前はもみ殻が使われてきました。
活きエビを刺身で食べる
そのおがくずの中で数日間は弱らずに冬眠状態のようにしていますが、外に出ると飛び跳ねるほど元気です。そのままでは手がつけられません。
- ボールにたっぷりめの氷水を作り、活きエビを入れるとおとなしくなります。
- おとなしくなったところでおがくずを水でながします。
- 頭の付け根を持ってひねります
- ゆっくり引っ張ると背わたがきれいに抜けます
- 両足の間に指を入れてはがすと全体のからがむけます
と、初めて活き車エビをいただいたので刺身で味わいました。
活きエビだからこそのプリプリとしてしっかりとした食感とうま味が口に広がります。
新鮮なものをいただく喜びですね。
塩を振ってフライパンで焼くとそれはまた別の味わいがあります。
【まとめ】車エビの名の由来は丸まった様子から
車エビの名の由来は何だろうと思っていましたが車エビの様子からついたものだとわかりました。
また、大正エビとどう違うのだろうかと思ってきました。
形が似ているものは大きさがちがっても「車エビの仲間」ということがわかりました。
腰が曲がっている様子から「海の老人」そこから「海老-エビ」と名付けられました。
日本人はエビが大好きです。私も海老好きのひとりです。
お祝いの席に欠かせない美しい車エビはお膳を引き立てますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
〈参考〉
- 学館:新版食材図典
- NHK出版:からだのための食材大全
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
シバエビの語源は、やはり港区の芝にあったのですね。今ではちょっと信じがたいですね。