米粉のいろいろ

 

お米の利用方法の一つに以前から粉にして菓子や団子を作って来ましたが、近年はさらに料理やパン・麺などにも利用されています。

米粉のいろいろについて見ていきましょう。

 

 

お米の利用拡大の一助として

お米の利用拡大の一つに「粉にして使う」があります。

確かにパンもうどんやパスタなども小麦を粉にして「小麦粉」として保存し、利用します。

ですが、「お米を粉にしてもっと使っていこう」と聞いたとき、筆者は「わざわざ粉にしなくても、ご飯のままでたくさん食べればいいのに」と思いました。

この、粒(つぶ)のままでおいしいことが「お米を粉にして利用する」ことが発展しなかった理由とのこと。米と違って小麦は固く、粒のままでは食べにくいので粉にしての利用が進みました。

お米は精米過程で出てくるこわれたお米を菓子の原料に利用するなど、限定的な使用でした。

近年、加工に適した原料米ができるようになりました。

  • 菓子・料理用に適した品種・・・ゆめふわり・ミルキークイーン
  • パン用に適した品種・・・ほしのこ・こなだもん
  • 麺に適した品種・・・北瑞穂・夢あおば・あみちゃんまいなど

また、品種だけでなく微粉粒にする技術ができたことによって米粉にスポットライトが当たるようになり料理にも使われるようになっています。

この項では伝統的な米粉について見ていきましょう。

 

 

米粉の種類の多さに改めてびっくり

一口に米粉と言っても昔から使い分けられてきたものも多種多彩で、和菓子に詳しい人でなければ、区別がよくわからないのではないでしょうか。

そこで、食材図典を参考に種類と用途を比べてみたいと思います。

 

うるち米が原料

新粉(しんこ)・・・味が淡泊、生地がしっかりしている

うるち米(いつものご飯を炊くお米)を粉にしたもので、もち米で作るより味が淡泊で生地がしっかりとして、趣があると言われます。

うるち米を水洗いして、5~6時間おき、米粒についた水分となじませてから、臼でひいてふるい分け、この後しっかり乾燥させたものです。

草餅・柏餅・すはま(すあま)・団子などの餅菓子類、せんべいの材料、ういろう・かるかん・蒸しようかんなどの蒸し物などに使います。

粒子の大きさによって 上新粉(関西では上用粉)・並粉に分けられます。

平安時代より新粉で細工菓子を作ってきました。旅行先などで立派な松や菊の花など、これが食べられるお菓子?と思ったことがありましたが、米の粉を練って彩色し、芸術作品としたものだったのですね。

せんべいは新粉に湯を加えてこね、蒸してから練って、さらに冷めたものを臼でついてからシート状に伸ばして型抜きて乾燥、焼いて味をつけます。手間がかかりますね。堅焼きからソフトで軽いもの、海苔巻き、揚げせんべいなどいろいろあります。

なおせんべいと呼んでいますが南部せんべい・瓦せんべい・えびせんべいなどは小麦が原料です。

 

もち米が原料

もち米を粉にしたものが「もち粉」になります。

白玉粉 

白玉粉

もち粉の代表は白玉粉です。

水洗いしたもち米を冷たい水に一晩浸けてから石臼で挽きます。よく乾燥させてから粒を選り分けます。

白玉粉は小指の先ほどの塊の粗粒と乳状の細かいものに分けられます。細かい乳状の方を布袋に入れ、寒の時期に冷水で晒したものを特に寒ざらし粉を呼びます。昔は30日も晒したそうです。ぎゅうひや団子・ういろうを作ります。

白玉粉はでんぷん粒が主体で、なめらかな風味があります。

大福餅白玉粉を使っています。砂糖と水を加えて練りながら加熱し餅生地を作ります。

暮れになると母が家庭用の餅つき器で餅を作り、あんを包んで大福を作っていました。家で作った大福はすぐに固くなるのに、お菓子屋さんの大福が一日中柔らかくおいしく食べられるのが不思議でしたが、白玉粉と砂糖を使って餅生地を作ったからだったのですね。電子レンジを使っても餅生地が作れます。

 

みつ豆・あんみつに欠かせない求肥(ぎゅうひ)は白玉粉に水と、白砂糖、水飴を加えて加熱し、半透明になるまで練り上げたものです。なめらかな舌触りで食感が変化しにくく練り菓子に広く使われています。この求肥に使う粉をぎゅうひ粉と呼びます。

素朴な味わいのゆべしは白玉粉とぎゅうひ粉を使ってつくります。

 

寒梅粉(かんばいこ)

精白したもち米を水洗いして、水に浸して、蒸して餅つき機で餅にして、伸ばして焼き上げてから、粉砕したものを寒梅粉あるいは焼きみじん粉といいます。

打ち菓子・押し菓子・豆菓子などを作ります。

 

うるち米でももち米でも作る

みじん粉(微塵粉)

精白したうるち米またはもち米を水洗いして水に浸け、蒸して乾燥させた乾飯(ほしいい)を細かく砕いたものです。

粒の大きさによって大きい方から、丸種(まるだね)・岩種(いわだね)・荒粉種(あらこだね)・真びき粉(しんびきこ)・みじんこと呼び分けられます。

みじん粉を炒ったものを「上南粉(じょうなんこ)」と言い、押し菓子・洋菓子などに使います。

道明寺粉(どうみょうじこ)・道明寺種(どうみょうじだね)・道明寺乾飯(どうみょうじほしいい)は精白したもち米を洗い、蒸して乾燥させ粗く砕いたものです。桜餅などの和菓子に使用されます。

 

玄米粉(げんまいこ)

玄米をそのまま炒って、粉にしてものや蒸してから乾燥、粉に挽いたもので作る玄米粉というものもあります。

玄米粉は玄米パンの原料になるほか、麺類や菓子・ケーキに、またヨーグルトにも加えることがあります。

玄米飲料にも利用され、健康に関心がある人たちを中心に消費が伸びています。

 

落雁粉(らくがんこ)

玄米粉・大麦粉・きな粉・そら豆粉・あずき粉などの穀類・豆類の粉を混ぜたものです。これに、少しの食塩と水を入れてよく混ぜ、木型に入れて形成・乾燥させたもの落雁です。

 

白ぬか(しろぬか)

日本酒は米のでんぷん質を使うため外側をかなり削ります。その削ったものの中に「白ぬか」と呼ばれる層があります。米を精白するときに熱が加わるため、摩擦熱で温度が上がり、部分的に糊化(こか)していることがあり、加工適性が悪いとされています。このような米粉は調味料などの発酵原料として無駄なく使用されています。

 

 

【まとめ】お米を手軽に使うための工夫が詰まっています

米粉のいろいろについて見てきました。

改めて先人がお米の特性に合わせた加工をたくさん編み出していたことに驚きました。

炊きたてのご飯は時間とともにでんぷん質が老化という現象を経て、食味が落ちます。

乾燥・粉砕という手間をかけて、あるいは砂糖を合わせて練ることで手軽に食べられる工夫を重ねてきました。

今後はさらに利用が広がるように研究開発が進むことを期待しています。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

〈参考〉

小学館 食材図典Ⅱ

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

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管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。