小松菜はカルシウムを多く含む栄養価の高い緑黄色野菜です。
シャキッとした歯触りは冬を代表する野菜です。ハウスでの栽培の普及により一年中収穫が可能ですが、本来は霜に当たると葉が厚くおいしさが増すといわれています。
実は東京は小松菜の特産地です。さすがに都心には畑がありませんが、江戸川区や足立区、また、多摩地区ではまだまだ畑があります。
小松菜を専門に作っている小松菜専門農家もあります。小松菜が都市農業にうってつけの訳を考えていきましょう。
小松菜は都市農業にうってつけ

小松菜は都市近郊で盛んに作られています。
国内トップを競う埼玉・茨城はじめ東京・神奈川・千葉・群馬でいずれも国内ベスト10位に入る収穫量です。
東京のような地価が高く、狭い畑でも頑張っています。
それは大消費地に近いので、痛みやすい葉物でも新鮮なうちに消費者に届けられることがひとつ。
二つ目は連作できる特長を生かして、年間5回から6回も収穫できるところから、専業農家としてやっていけるからです。
なんと夏場は20日程度、冬場も2ヶ月程度で出荷できるということです。
江戸川区には小松菜専門の農家さんもいらっしゃいます。
見学させていただいたことがありますが、きちんと管理された何棟もあるハウスで作っていました。
網戸の網目がとても細かく、農薬は基準を守り、東京都の厳しい指導をなんなくクリア。
誇りを持って作り続けているのが伝わってきます。
農薬については、一般的な価格で流通させるには無農薬で育てるのは厳しいそうです。
ですが、住宅が近隣まで迫っている都会で農薬を使うのはとても神経を使うとのこと。
天気や風向きを考慮して、使用量も最小限に抑えて使います。
住宅地が迫る都市農業にエールを送っていきたいと思います。
小松菜は東京の特産品です

寒く青い野菜が少ない時期でもハウスで小松菜はすくすく育っています。
アクが少なく、ゆでてもゆで減りしない小松菜は扱いやすい野菜です。
農地の少ない東京でも小松菜はせっせと栽培されています。
小松菜と東京の関係を見ていきましょう。
小松菜と東京都 江東区 小松川との関係

東京の雑煮は小松菜入り
次は、名前の由来についてです。
さすが、小松菜の町、東京都江戸川区のホームページにいきさつが詳しく出ています。
享保4年(1719年)、将軍徳川吉宗が、鷹狩の際、香取神社(中央4丁目5番23号 旧西小松川村)に立ち寄られました。
そのときの神主、亀井和泉が、これといって差しあげらるものも無かったので、餅の澄まし汁に青菜を少々いろどりにあしらって差し出すと吉宗公はたいそう喜ばれて、「この汁の菜をなんと申すか」と訪ねられました。
返事にこまった神主に「それではここは小松川だから小松菜と呼べ」と命名したということです。
もともとの生まれは南ヨーロッパの地中海沿岸とのこと。中国を経て日本にたどり着くまでどのくらいの時間が流れたのでしょうか。
江戸川あたりに来たのは鎌倉時代だそうです。
その頃は寒くなるとみずみずしくなる冬の野菜でした。
小松菜と呼ばれる前は「冬菜」「雪菜」と呼ばれる寒さに強い葉ものでした。
寒くなると緑の葉ものは少なくなるので、ありがたい野菜です。
そこからもお雑煮になくてはならない地位を獲得したのです。
小松菜の栄養価

小松菜は言わずと知れた「緑黄色野菜」。
その中でも抗酸化作用がある「β(べーたー)カロテン」がたっぷり。
ビタミンCや葉酸、カルシウム、カリウム、鉄分など、成長期にも大人にも欠かせない栄養素がたっぷりです。
特にカルシウムと鉄分はほうれん草を上回っています。
ほうれん草と違ってアクガ少なく、下ゆでしなくても使えます。
調理が手軽になりますね。
また、葉も茎もしっかりしているので、料理しても存在感があるのがうれしいところです。
ほうれん草と異なりアクが少ないので下ゆでなしで使えます。
小松菜とほうれん草の見分け方

ほうれん草は根が赤い
スーパーで「研修中」のネームタグを着けている方の中には、小松菜とほうれん草の見分けが「今ひとつ」だったりして、「頑張って♪」と思ってしまいます。
色が似ていて全体の大きさも同じくらいなので今まで関心なく過ごしてきた方には結構ハードルが高いですね。
でも、両者は似て非なるもの「親戚」でもありません。
ほうれん草は「アカザ科」で小松菜より繊維がやわらかく、消化がよいとされています。
ただアク成分の「シュウ酸」があり、下ゆでが必要です。
小松菜 | ほうれん草 | |
葉の形状 | 先が丸い | ギザギザしている |
茎 | 黄緑で太め | 緑色で細く柔らかい
根元が赤い |
持った感じ | 分厚くてしっかりしている | 柔らかい |
小松菜とほうれん草を比べてみると違いがよくわかりますよ。
小松菜の仲間 アブラナ科は「菜っぱ」でひとくくり?

小松菜はアブラナ科でいわゆる「菜っ葉」と呼ばれるくくりの中に入っています。
アブラナ科は種類が多く、小松菜の他に、白菜、野沢菜、のらぼう菜、水菜、からし菜などなどがあります。
ザーサイもからし菜の仲間でアブラナ科アブラナ属です。
春先につぼみを食べる西洋種の菜花もアブラナ科アブラナ属です。
葉や茎の形状、大きさはそれぞれですが、みな似たような十字型の黄色い小さな花をさかせます。
今では一年中買える小松菜ですが、もともとは秋から冬の葉物です。安い旬の時期にたくさん利用したいですね。
地産地消を実践したい

最近ではスーパーでも近場の農家さんが作った小松菜が並べられています。
生産者のお名前が表示されている場合もあります。
知らない方でも、お名前があると誇りを持って栽培されたものなのだなあと感じます。
都市農業の顔として小松菜の生産にエールを送りたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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