かぼすとすだちが出回ると秋を感じます。
秋の味覚の焼き魚や料理に果汁を絞ると味が引き立つのはもちろん手に移った香りまで楽しめます。
香酸柑橘(こうさんかんきつ)と呼ばれるものは柑橘類の中でとくに酸味が強い品種のことです。
かぼすとすだちで秋の味覚を楽しみましょう。
かぼす で楽しむ秋の味覚
かぼすは大分県の特産品です。魚料理との相性がよく、サンマをはじめとした焼き魚の香り付けに活用されます。
熟すと黄色くなりますが、青い8月から10月頃の方が香りが強いとされます。
すだちより一回り大きくなります。
8月~10月が収穫期です。サンマにちょうど合う時期ですね。
すだち で楽しむ秋の味覚

すだちは徳島県の特産品です。古くから調味料として酢のかわりに利用されてきて、酢橘(すだち)と名付けられました。
上品で風味のよい香りと酸味が特徴で「柑橘界の小さな巨人」とか「柑橘類の小公女」といわれています。焼きまつたけや焼き魚の風味付けに使われます。
皮がやわらかいので皮ごとスライスすれば料理のアクセントにもなります。
近頃は飲料にもすだちが使われ、市場の名声を博しています。
すだちも8月~10月が収穫の時期になります。
香酸柑橘とは

香酸柑橘は糖の含有が少なく、酸が多い柑橘の中で特に芳香に富むものをいいます。
酢みかんともいわれて、果汁の酸味や果皮の香りを楽しみます。
香酸果実の種類
香酸柑橘は約40種ほどあります。
古くから香酸果実として料理や薬用にされてきたものに、レモン、ライムがあります。
まただいだい(かぶす)やゆずも酸味と香りが古くから親しまれてきました。
近頃ではかぼすやすだちが地域の特産品として注目されています。
他にもシークワーサー、へべすなどの地域の柑橘があります。
ゆずについては以下の記事で紹介しています。ぜひご参照ください。
香酸柑橘の栄養と効果

すだちそば
かぼすも、すだちも、レモンもいずれもミカン科で似た効能を持っています。
酸味が強い品種で実をそのまま食べるのではなく、果汁は調味料やジュースに、果皮は薬味や吸い口に、またジャムやスイーツにして楽しみます。
酸味はクエン酸が主体なので疲労回復効果が高いです。
また、ビタミンCも多く含まれていますので抗酸化作用が期待できます。
また、リモネンやピネンなどの精油成分が特有の香りを醸し出しています。
リモネンは柑橘類の香りの成分で、抗がん作用があるのではないかと期待されている成分で、柑橘の皮に含まれています。
さわやかな香りはストレスを改善してくれますね。
なお、胃酸過多、胃潰瘍があるの場合は酸が胃壁に刺激を与えるので取り過ぎないよう注意しましょう。
成分を上手にとるコツは
果実がかたい場合は、レンジで20~30秒加熱すると細胞壁が壊れ、果汁が出やすくなります。くし切りにして果実の断面にフォークなどを数回さしてから搾るとよいでしょう。
搾るときは果皮を下に向けると果汁が果皮を伝って落ちるので果皮に含まれる有効成分も一緒に摂ることができます。果汁が飛び散ってひんしゅくを買わないよう、あいている方の手のひらでガードをお忘れなく。
【まとめ】かぼす、すだちは秋の味覚の立役者
かぼすもすだちもとても小さな柑橘です。皮をむいて果肉を食べるのではなく、酸味の強い果汁と、リモネンなどの芳香を料理に移して楽しみます。
収穫の時期とも合うため、サンマやまつたけにつきものとなっています。
まつたけは庶民には縁遠くなりましたが、サンマがおいしい季節に塩焼きを活用していただきたいものです。そのときはやはりすだちか、かぼすがあると、見た目にもごちそう感が出ますね。
強い酸味はクエン酸です。ビタミンCも多く含有しているので相乗効果で抗酸化作用、疲労回復に効果があります
かぼすやすだちなどの香酸柑橘があるおかげで、食欲の秋が楽しみです。
お読みいただきありがとうございました。
〈参考〉
- 小学館:新版食材図典
- NHK出版:からだのための食材大全
- 西東社:薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帳
- 家の光協会:和の薬膳食材手帳
- 日本文芸社:栄養を知る事典
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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