じゃがいものビタミンCはほうれん草と同等!航海や越冬食に必須の食品

じゃがいも

 

広く世界を見ると小麦・米・トウモロコシと並ぶ主要作物です。

じゃがいもは思いのほかカリウムビタミンCが多く日本では生鮮食料として扱われています。

特にじゃがいものビタミンCはほうれん草と同等です。航海や越冬食にはなくてはならない食べものです。

じゃがいもの歴史や日本での品種による使い分けなどをみていきましょう。 

 

 

じゃがいもはビタミンCの供給源

じゃがいもはでん粉以外にも栄養豊富で、常備しておきたい食品です。

じゃがいもの注目の成分としてビタミンC・ビタミンB2 ・カリウムが豊富です。

じゃがいものビタミンCはでん粉にガードされているので加熱調理でも減少しないのが特徴です。

ゆでじゃがいも皮なし中1個(約150g)とほうれん草1/2束(約150g)とトマト中1個(約150g)みかん中1個(約130g)を以下に比べてみます。

いも類のビタミンCについては以下の記事もご覧ください。

さつまいもの文化的側面を考える

 

【カリウム】 細胞内液の浸透圧を維持して心臓や筋肉の機能を維持

  • ゆでじゃがいも 510mg 
  • ゆでほうれん草 735mg
  • 生トマト    315mg
  • みかん     195mg

【ビタミンB2】 エネルギー代謝・酸化還元作用に関与

  • ゆでじゃがいも 0.05mg
  • ゆでほうれん草 0.14mg
  • 生トマト    0.03mg
  • みかん     0.04mg

【ビタミンC】 コラーゲンの生成・抗酸化作用・鉄の吸収促進

  • ゆでじゃがいも 27mg
  • ゆでほうれん草 29mg
  • 生トマト    23mg
  • みかん     41mg

比べるとじゃがいもの良さはでんぷんだけではないことがわかります。頼もしい存在です。

 

 

長い航海に必要だった

航海する船

 カリウムビタミンCが多いじゃがいもですが、特にビタミンCでは世界の供給源の第2位に位置しています。(1位は柑橘類です)

長い航海や寒さが厳しく生鮮食料が手に入りにくい地域の越冬食としてじゃがいもはなくてはならない食品になっています。 

 

 

じゃがいもの伝来

じゃがいもは1600年頃現在のインドネシアのジャカルタから長崎に伝わったそうです。日本での呼び名は「ジャガタラ芋」でした。やがて「じゃがいも」と呼ばれるようになりました。

もう一つの呼び名の「馬鈴薯(ばれいしょ)」は「じゃがいもの原種が馬の首につける鈴に似ていたから」からきています。 

 

 

「貧者のパン」から「富者(ふしゃ)のパン」へ

世界的に見るとじゃがいものイメージはよくないものが目につきます。

「貧者のパン」「代用食」「救荒食」「イモ野郎」「イモ娘」などなど

これは土地がやせていても、寒くてもどこでもよくできて、価格も安価なところからきているのでしょう。また、それだけを食べても飽きてしまいます。

ところが肉や酪農製品、油脂、魚介と組み合わせるとおいしく、健康にもよいことが広まり、最近の消費者には人気が出ています。

加えて品種改良が進みおいしい品種が作出されています。貧者のパンから富者のパンへと移行中のようです。

 

 

じゃがいもの代表的な用途と品種

生鮮食料用 加工用よりでんぷんが少ない 天候など市場の相場変動が激しい

男爵いも

函館の川田男爵が英国から導入、普及させました。早生で栽培しやすく、全国で作られています。

芽がやや深く、関東以北で人気です。粉ふきいも・コロッケ・ポテトサラダ

皮をむいた後の変色があります。

 

メークイン

英国品種で春においしくなります。収量が多いのですが奇形したり茂りすぎたりと管理が難しい面があります。

北あかり

 

昭和62年に北海道の農業試験場で作られました。男爵いもとドイツの品種の掛け合わせです。

ビタミンCが多いです。ポテトサラダ・コロッケの材料として需要が伸びています。産直販売が人気です。

インカのめざめ

新しい品種ですが、アンデスの古い品種から選抜したそうです

収量が他の品種と比べて6割程度と少ないのですが、おいしい品種として関心を呼んでいます。

なめらかで緻密な肉質であらゆる料理においしさを発揮します。

2℃位の低温貯蔵でショ糖が増えデザート用として好評です。

すぐに芽が出てしまうので、低温での貯蔵が必須です。沖縄から北海道までリレー栽培の試作が行われています。

 

加工用 でんぷんが多い

トヨシロ 30数年前に開発された品種です。

貯蔵中に糖が増えることがないのでポテトチップスやフライドポテトに適しています。

北海道をはじめ鹿児島・千葉・茨城・福島などでメーカーと契約している農家が多いです。

ホッカイコガネ

 

北海道農業試験場で育成されたもので、フライドポテトに向く品種です。

煮崩れがメークインより少ないので、関西以西で「北海メーク」などの名前で売られています。

 

でんぷん原料用 政府管掌作物として守られるが価格は低め 

コナフブキ

でん粉原料用の主力品種です。昭和56年に北海道立の農業試験場で育成されました。

紅丸

昭和13年に北海道農業試験場で育成されました。

でん粉の材料として優れた品種です。

このほか種芋用・飼料用に使われます。

国内のじゃがいもの使用割合は料理用が約1/3ででん粉加工用が一番多くなっています。 

 

 

じゃがいものソラニンに注意!

 

じゃがいもの花

じゃがいもの花

じゃがいもは古くは「悪魔の食べもの」とされていました。

じゃがいもとして食べる以前は、花がきれいなので紳士が胸のポケットにさしていたと歴史の先生から聞きました。

ソラニンの毒が「悪魔」となったのでしょう。植物にとって大事な芽のところと、日に当たって緑色になった部分にあります。外敵に食べられないためですね。十分に育ったものでイモの芽と緑のところをとれば大丈夫です。 

家庭菜園や学校・幼稚園・保育園などで未熟な芋でソラニン中毒を引き起こすことがあります。

栽培する際は十分な広さ・肥料に注意してじゃがいもが十分に育つ環境を与えることが大事です。

 

じゃがいものソラニン中毒は

 

芽が出たじゃがいも

芽が出たじゃがいも

食べて30分から半日くらいで現れ、嘔吐、下痢、腹痛、めまい、動悸、耳鳴り、重症になると意識障害、けいれん、呼吸困難ののち、最悪は死に至るという恐ろしいものです。「悪魔の食べもの」といわれるのもそんなところからきたのでしょう。

皮に多いので皮をしっかりむくえぐ味を感じるものは食べないようにしましょう。

またソラニンは水に溶けるので蒸すよりゆでる方が安心です。

 

じゃがいもの保管は

保存は芽が出ないように冷暗所に保管します。 

 

 

じゃがいもの不作で2017年はポテトショック!

2016年は台風の被害が大きい年でした。特に北海道は大きな被害が出ました。台風10号の大雨で畑の水没が相次ぎ、じゃがいもの一大産地の北海道はその年の収穫はもとより次年度に植え付ける種イモにまで被害が出ました。

ポテトチップスを作っているメーカーでは主力商品だけに搾っての生産でスーパーのポテチの棚は寂しい状況でした。

そんな厳しい状況にありながらも契約農家が作るクオリティーの高い国産にこだわったメーカーに対して、私の中では「さすがだ。会社を上げたな」と思いました。翌年ポテトチップスが普通に流通するようになってから、ご祝儀のつもりで普段はあまり買わないポテトチップスを数回購入しました。たまに食べるポテトチップスはおいしく感じました。

 

 

ポテトチップスがやめられなくなる理由は

 

ポテトチップス

食べ始めるとやめられなくなるポテトチップス。そのワケは・・・

サクサク感や油のコク、粗い塩粒が舌で溶け、塩気を感じることなどの物理的な刺激にあると考えられています。

脳が感じるこのおいしい快感は長くは続きません。この物理的な刺激を得るために「もっと食べたい」という欲求が脳に放出されるドーパミンによって引き起こされ、これがやめられない原因のようです。

 

 

ポテトショックは給食現場にも

2017年のポテトショックはポテトチップスだけでは終わりませんでした。

なんと料理用のでん粉まで影響したのです。

当時の私の勤務先ではでん粉は20㎏の袋で購入していましたが、もうすぐ夏休みというときに「今あるものがなくなったら、同じものを納品できません」との連絡が・・・

料理のとろみ付けは、まあ、在庫分でなんとかなるとして、唐揚げなどには小麦粉と合わせて使っていたのであわてました。でん粉を使わない天ぷらにするとか、米粉揚げにするとか、考える必要が生じました。家庭ならその場での変更がききますが、食物アレルギーのことがあるので使用材料は事前に決めていないとなりませんので・・・

秋になり業者さんから「今年(2017年)のじゃがいもで作ったでん粉が流通しだした」と聞いたときにはホッとしたものです。

想定外のことがいろいろと起こりますね。

 

 

【まとめ】日本では生鮮食料。カリウム・ビタミンCが豊富です

 

じゃがいも栽培

八百屋さんやスーパーの野菜売り場で売られているじゃがいもは、他の野菜と比べても遜色ないほどカリウムやビタミンCが豊富です。

用途に合ったおいしい品種も出ています。

じゃがいもを常備しておいしく食べたいものです。

 

お読みいただきありがとうございました。

〈参考〉

  • 小学館:新版食材図典
  • 独立行政法人農畜産業振興機構Webページ
  • 群羊社:たべもの・食育図鑑
  • カルビーWebページ

☆管理栄養士すずまりが書きました。

↓ブログランキングに参加しています。よろしかったら応援よろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。