ほうれん草の栄養を考えよう

ほうれん草

 

ほうれん草の栄養の特徴は各種のビタミンミネラルにあります。

ほうれん草は色の濃い緑黄色野菜の代表選手ですね。

アメリカの漫画「ポパイ」ではほうれん草の缶詰がパワーの源でした。やはりほうれん草には特別感がありますね。

ほうれん草の栄養の特徴的なことを見ていきたいと思います。

ほうれん草の栄養の特徴① 葉酸が多い

ほうれん草のおひたし

葉酸はビタミンB群の一種です。ほうれん草の抽出物から発見されました。

その名の通り葉物野菜に豊富です。果物にも多く含まれています。

特に、ほうれん草、菜の花、春菊など緑色の野菜にたっぷりです。

葉酸は動物性の食品には多くはないのですが、細胞の新生に関わる栄養素なので、レバー、魚の内臓、貝類など、細胞分裂が盛んなところに豊富です。

新たな赤血球が正常に作り出されるときにも葉酸は必須の成分です。赤血球のもとになる赤芽球を作り出すときに作用しています。

このため葉酸は「造血のビタミン」ともいわれています。

葉酸はビタミンB12と相性がよく、造血作用などでともに働いて貧血を防ぐ効果を発揮することが多くあります。

葉酸は胎児の発育に重要だとされ、一躍注目されています。

また、近年葉酸には血液中のホモシステイン(アミノ酸の一種)の濃度を下げて動脈硬化を予防する効果があることがわかってきました。

このほか認知症の予防などにも関わっていて、今後ますます葉酸の効果に期待が高まりそうです。 

ほうれん草の栄養の特徴② 鉄が多く、貧血を改善する栄養がそろっている

ほうれん草のスムージ

お医者さまに「貧血気味だから鉄分の多いものを」といわれて、思い浮かべるのはまずはレバーでしょうか。

そして野菜ではほうれん草ではないでしょうか。

ほうれん草・小松菜・大根の葉・春菊などの青菜は鉄分が多く含まれています。

下の表はそれぞれ100gの含有量です。

100g中 鉄 mg 葉酸 ㎍ ビタミンC mg
ほうれん草 生通年平均 2.0 210 35
  〃 生夏採り 2.0 210 20
  〃 生冬採り 2.0 210 60
小松菜 2.8 110 39
大根の葉 3.1 140 53
にんじん根皮付き 0.2 21 6
キャベツ 0.3 78 41
温州みかん 0.1 24 32

ほうれん草は生の時は2.0gあり、なかなか立派な数字です。

葉酸・ビタミンCなど造血に必要な栄養がそろっているので、貧血には強い味方です。

鉄は「微量ミネラル」の部類に入ります。

また特に吸収しにくいミネラル分といわれています。

吸収率は一緒に食べるもので変わり、一律ではありません。また、個人の必要量によっても変わります。

ちなみに18歳以上の月経がある女性の鉄必要量は1日に3.64mg、妊婦さんは後期になると14.6mgにもなります。これは推定平均必要量といわれるものです。

生まれてくる赤ちゃんのためにもレバーをはじめ、貝類や小魚など鉄分の多い動物性のものとビタミン類も含む青菜類ををせっせと摂りましょう。

動物性のものは吸収されやすい「ヘム鉄」です。植物性の鉄は非ヘム鉄といい、単独では吸収されにくく、動物性のたんぱく質を一緒に摂ると吸収がよくなります。

ほうれん草の栄養の特徴③ ビタミンAが多い

ザルにのったほうれん草 ほうれん草は緑黄色野菜の代表選手です。

野菜は緑黄色野菜と淡色野菜に分けられます。

緑黄色野菜は「切っても切っても、切り口の色が濃い野菜」とわかりやすく説明します。きゅうりや冬瓜(とうがん)はきれいな緑色ですが、切ると中が白いので淡色野菜です。

その区分は見た目の色だけではありません。原則として可食部100gにつきβ(べーたー)カロテンの含有量が600㎍(マイクロ㌘ 1,000,000㎍=1,000㎎=1g)以上としています。

ほうれん草のβカロテンは100g中4200㎍と立派な緑黄色野菜です。

カロテンは体に吸収されると皮膚や粘膜を健康に保つビタミンAに変わることからプロビタミンAとも呼ばれます。

ほうれん草の栄養の特徴④ ビタミンCが多い

ほうれん草にはビタミンAだけでなくビタミンCも豊富です。

表を見ていただいてもほうれん草にはいろいろ優れていることがわかります。

ビタミンCには葉酸を活性型に反応させる作用があります。

ほうれん草の注意点

ほうれん草をゆでる

ほうれん草は各種ミネラル、ビタミンを豊富に含み貧血予防に頼もしい働きをしています。

他方、気をつけなければならない点もあります。

まず、独特のアクやえぐみがある点です。これらは有害となるシュウ酸です。

シュウ酸は体内に入るとカルシウムと結合して無害になりますが、水に溶けない物質になり結石を作りやすくします。結合したカルシウムもカルシウムとして作用しないのでせっかく摂ったものが無駄になってしまいます。

ですがシュウ酸は熱でほとんど消失しますのでゆでて食べれば問題ありません。

また、生食用のほうれん草はシュウ酸が少ないサラダ用の品種ですから、洗ってそのまま食べられます。

もう一つは硝酸態チッ素というほうれん草が土中からチッ素を吸収した後にできる成分があります。

これは光合成をする過程で分解されますが、肥料を適切に与えないと分解されないまま葉の部分に濃く残ってしまいます。

硝酸態チッ素は体内でたんぱく質と結びつくと発がん物質になるとされます。

ほうれん草の選び方

葉が肉厚でやわらかく、緑色が濃いもの。茎は30㎝くらいと短めで根元はみずみずしくて赤みが強いものを選びましょう。

葉が黒ずむほど濃い緑色のものは硝酸態チッ素が心配です。

ほうれん草の保存方法

さっと洗ってからしめらせた新聞紙に包んで乾燥しないようにポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。小松菜より葉が傷みやすいので早めに使い切るといいでしょう。

【まとめ】ほうれん草の栄養は造血に必要なものがそろっています

妊婦さん

各種のミネラル・ビタミンが豊富で貧血予防に頼もしいほうれん草です。

βカロテンの効果も研究され、これからも注目される野菜です。

妊婦さん、月経のある女性をはじめ中等度以上の運動をする方は積極的にほうれん草を食卓にのせましょう。

お読みいただきありがとうございました。

〈参考〉

  • 第一出版:日本人の食事摂取基準
  • 高橋書店:あたらしい栄養学
  • 群羊社:たべもの・食育図鑑

☆文中の食品名および栄養価は「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」「同 追補2016年」「同 追補2017年」「同 追補2018年」に準拠しています。

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

↓ブログランキングに参加しています。よろしかったら応援お願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。