飽食の現在、多くの方が血糖値の管理について感心が高まっているのではないでしょうか。
牛乳には乳糖という動物の乳に含まれている特徴的な糖質が含まれています。
牛乳に含まれる糖質は糖質制限中でも飲んで大丈夫なのか、みていきたいと思います。
牛乳については以下の記事もご覧ください
目次
牛乳の糖質は糖質制限中でも飲んで大丈夫か?

肥満解消、生活習慣病の予防から「糖質制限」「断糖」を食生活に取り入れている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたもののことで、ご飯やパン、麺類、芋類、砂糖類を使った菓子などが入ります。
また、甘みが強い果物や根菜類にもかなりの量が含まれています。
牛乳にも乳糖という糖質が含まれていますが、食品の分類ではたんぱく質に入ります。
結論からいうと、常識的な範囲として1日にコップ1~2杯なら飲んだほうがよいと思います。
常識的な範囲というのは、「好きだから」「からだにいいから」と1リットルも飲む方がいるからです。
【乳製品・豆乳に含まれる糖質】
一回の目安量です
食品 | 目安量 | 糖質量(g) |
牛乳 | 1杯200cc | 9.6 |
低脂肪乳 | 〃 | 11.0 |
無調整豆乳 | 〃 | 5.8 |
調製豆乳 | 〃 | 9.0 |
プレーンヨーグルト | 100g | 4.9 |
加糖ヨーグルト | 〃 | 11.9 |
低脂肪乳・調整豆乳は脂肪分を抑えてある分、糖質が多くなっています。
加糖ヨーグルトは砂糖が加えられています。
乳糖とはどんな糖?
乳糖とはブドウ糖とガラクトースが組み合わさってできた二糖類のひとつです。
甘みは少ないながらも、腸内で善玉菌を増やす働きがあるので、便秘や生活習慣病を予防してくれます。
植物にはなく、牛乳や母乳に含まれていて、乳幼児の重要なエネルギー源です。
乳糖は母乳には5~7%、牛乳には約4%含まれています。
母乳と牛乳にみる生命の神秘

母乳(人乳)と牛乳の成分を比べてみましょう。
100g当たり
栄養素 | 母乳(人乳) | 普通牛乳 |
エネルギー(kcal) | 272 | 280 |
たんぱく質(g) | 1.1 | 3.3 |
脂質(g) | 3.5 | 3.8 |
糖質(g) | 6.7 | 4.7 |
カリウム(mg) | 48 | 150 |
カルシウム(mg) | 27 | 110 |
マグネシウム(mg) | 3 | 10 |
リン(mg) | 14 | 93 |
鉄(mg) | 0.04 | 0.02 |
母乳と牛乳ではエネルギー(カロリー)と脂質はほぼ同じものの、たんぱく質や糖質、カルシウムに大きな差があります。
牛乳よりも母乳の方が甘いと思っていましたが、糖質は母乳の方が牛乳より1.5倍も多いのですね。
反面、たんぱく質やミネラルは約1/3しかありません。
一般に動物、特に草食動物は生まれてすぐに立ち上がる必要があります。からだの成長も早い方がいいでしょう。
母乳には成長に大きく関係するたんぱく質やミネラルが少ないのは、赤ちゃんの成長速度が牛よりゆっくりだから。
一方、赤ちゃんはからだの成長よりも脳の発達がとても早いと言えます。
脳や神経の発育には乳糖が分解されてできるガラクトースが欠かせません。
母乳に含まれる乳糖の量は哺乳動物の中で最高値です。赤ちゃんは体の発育より脳の発達を優先させていると言えます。
このように乳の成分はそれぞれの動物の発育特性の必要に応じたものになっています。生命の神秘が込められていますね。
【まとめ】牛乳には乳糖があるが糖質制限中でも1~2杯は大丈夫

今は好きなものがいくらでも食べられるすばらしい時代です。
その結果、糖尿病をはじめとする生活習慣病が増えてしまいました。
予防のため、糖質制限を意識する方が多くいらっしゃいます。
牛乳は飲んでも大丈夫かという疑問も出ています。
確かに牛乳には乳糖が含まれていますが、カルシウムも多く、1日1~2杯は飲んだ方がよいと思われます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
〈参考〉
- 日本文芸社:栄養を知る事典
- 成美堂出版:栄養の基本がわかる図解事典
- 群羊社:たべもの・食育図鑑
- ダイヤモンド社:医者が教える食事術
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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