「大根おろしに医者いらず」大根は脇役ながらの人気野菜

大根おろし

 

大根はキャベツ、たまねぎに次いで生産量が多い野菜です。
昔から農家では飢饉(ききん)に備えて大根をいろいろと加工して保存食としてきました。
そして、今のようにお医者にかかることも難しかった時代に、大根おろしはいろいろな効能を持ったありがたい食べものでした。

ずばり「大根おろしに医者いらず」と言い切ってしまう話をみてみましょう。

 

 

「大根おろしに医者いらず」は大根の効用を説いたことわざ

ホッケと大根おろし

日々、大根おろしを食べていれば医者にかかることもないという昔の人の教えです。

「大根時の医者のえんま顔」ということわざもあります。
これは大根が旬の季節には人はあまり病気にならなくなる。するとお医者にかかることがないので、お医者は暇(ひま)になり困ってしまう。そこで閻魔(えんま)様のようなコワい顔になってしまう、というわけです。
大根の栄養を効率よく摂るなら皮ごとおろした大根おろしが一番です。

すずまり

洗って土を落としたら皮ごとおろすのがポイントよ♪

 

大根おろしの効用は「アミラーゼ」とビタミンC

大根おろし

では、大根おろしの何が病気を遠ざけるのでしょうか。

大根おろしはもちろん火にかけず生で食べます。
新鮮な大根はみずみずしく水分が多いですが特筆する効用があります。

それはアミラーゼです。
もう一つ、生の大根にはビタミンCが豊富です。
辛み成分のアリル化合物もあります。
これらについてまとめることで「大根おろしに医者いらず」の真意に迫れると思います。

 

 

アミラーゼが活躍!生の大根は胃腸薬!!

ハンバーグにも大根おろし

ハンバーグにも大根おろし

大根にはでん粉の消化を促進してくれる消化酵素を含みます。

アミラーゼです。これは根の部分にあります。

大根に含まれるアミラーゼでん粉を分解して消化を高める働きがあります。
また、辛み成分のアリル化合物も胃液の分泌を促進して、胃を健康に保ちます。
食物繊維も豊富で、腸内の老廃物を体外に出す役目もしています。
いわば胃腸薬のような働きをする野菜といえます。

 

 

アミラーゼは根の先端、ビタミンCは皮に多い

集荷される大根

アミラーゼ根の先端の方に多く含まれています。
ビタミンCが多いのも大根の特徴ですが、皮の方に多くあります。
ですから、皮をむいて捨ててしまうのはもったいないですね。
アミラーゼやビタミンCを有効活用するならよく洗った大根を皮付きのままおろしましょう。
また、おろした直後の方がビタミンCが壊れません。味もよいので食べる前におろすことをおすすめします。

 

 

辛み成分は有害物質を分解してがんを予防

玉子焼きと大根おろし

大根おろしを添えると立派な料理に

 

大根の辛み成分のアリル化合物には血栓防止や解毒作用があることがわかっていて、がんを予防してくれる野菜とされています。

食物繊維も腸の老廃物を取り除くため、なかでも大腸がんの予防に有効とされています。

 

 

大根は白い根と葉の部分で異なる栄養・効能

畑の大根

青々した葉も利用したい

大根はかぶと同じように根が淡色野菜葉が緑黄色野菜という二つの要素を持っています。

いつもはあまり注目されない「大根の葉」ですが実は根よりもビタミンCが豊富な上、根にはないβ(べーたー)カロテンがあります。βカロテンは強力な抗酸化作用があり、捨てるにはもったいない部分です。

β-カロテン
β(べーたー)-カロテンは抗酸化作用が高く、必要に応じて体内でビタミンAにかわります。粘膜を丈夫にするので、特にのどや肺などのがんの予防になるといわれています。また、体内の脂肪組織にβ-カロテンの量が多いと心臓病になりにくいとの報告があります。

大根の葉の他にも、ほうれんそう、にんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜に含まれています。

根と葉の栄養的価値を比べると、価値の8割は葉の方にあると聞きました。

では、なぜ大根は葉っぱを付けたまま売らないのか・・・?

それは運送の効率を考えて箱を作ってあり、その箱にちょうど収まるように葉の部分を切り落とすので、葉は切り落とされ、茎のところが残ります。
また、葉がついているとどんどん根の方から水分が移って蒸散していくので、早くしなしなになってしまうからです。
もちろん、葉が少なくても茎もゆでて刻んで食べられます。味噌汁の実にも使えます。
葉も茎も有効に利用しましょう。

 

 

大根やかぶを六群に分けるときはどうする?

小学校での学習は三つの食品群までの学習でしたが中学校では六つの食品群の学習をします。
でも、困った!!自然の事柄はそう単純に分けられない。
大根には白い部分もあれば、葉の青々している部分もある。どう分類するんだ!と思いますが、そこはさすがです。教科書を見て見ましょう。

六群の図

中学校家庭科教材
六つの基礎食品群の図

そう、大根を横に寝かせて、根のところと葉のところとを群をまたいで置けばいいんです。
初めてこの置き方を知ったとき、「恐れ入りました!!」という気持ちでした。
教科書ってダテじゃないですよ。
ついでですが、長ネギも横になっている!

 

食品群については以下の記事もご覧ください。

3つの食品群「赤・黄・緑」は広島生まれ

確かに土の下は真っ白ですが、土から出ているところは日光を浴びて緑になります。当然栄養価も変わってきます。
だいたい食品を分類するって私たちの都合ですものね。
でも、この図を見ることで、大根やかぶは根の部分と葉の部分では効能が違うことがわかりやすく伝わります。

大根は葉にもたくさんの価値があります。

 

鮮度が落ちやすい葉は早く利用しよう

ですが、土から抜いてそのまま置くと、根のみずみずしさが葉の方に移ります
葉がたくさんついていればいるほど葉から蒸散作用でみずみずしさが逃げていきます。
葉付き大根を買ったら葉を切り落として別々に保存。特に葉は早めに利用しましょう。

すずまり

いつまでも葉をつけたままにしておくと、根の方の水分がとられてしなびるわよ。

 

 

【まとめ】「大根おろしに医者いらず」大根は胃腸薬と同じです

大根は飢饉に備えて切り干しなどに加工して保存もしていた貴重な野菜ですが、やはり生で食べる方がいろいろな効能が期待できます。
特におろし大根にするとビタミンCアミラーゼの働きを取り入れることができます。
焼き物などの料理に付け合わせて、すっきりとした大根おろしの味を楽しみたいですね。

お読みいただきありがとうございました。
〈参考〉

  • 全国学校給食協会:食のことわざ春夏秋冬
  • 高橋書店:あたらしい栄養学

☆管理栄養士asariが書きました。

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管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。