ブロッコリーはカリフラワーと並んで野菜の中では数少ないつぼみを食べる花野菜で、独特の形をしています。
ブロッコリーの先祖は青汁で知られるケールで、アブラナ科の野菜として親戚に当たります。
ブロッコリーは人気の野菜として普及していますが、それは栄養的に大変優れていることが広く知られるようになったからだと思います。
ブロッコリーの栄養と効果をみていきましょう。
目次
ブロッコリーの栄養は健康に必要なものが詰まっています

カロテン
ブロッコリーはカロテン含有量が100g中810マイクロ㌘(βカロテン当量)と濃い緑の野菜らしい数字を誇っています。
カロテンは油と相性が良く、吸収を高めます。ドレッシングやマヨネーズで調味したり、油分が多いすりごまを振りかけたりも効果アップが見込めます。
ビタミンC
ビタミンCは120mgあります。
これはいちごなら10粒、みかんなら5個分にも相当します。ピーマンやレモンよりも上回っています。
ただ、ビタミンCは熱に弱い水溶性のビタミンです。
ゆでる際は塩を入れた沸騰した湯で短時間でゆでるようにしましょう。塩を入れるとビタミンCの損失を減らせます。
また電子レンジ調理もおすすめです。
ミネラルも豊富
ブロッコリー100g中のミネラル量をキャベツと比べてみます。
カリウム 1360mg(キャベツは200mg)
細胞内の水分量を調節し、筋肉の働きをコントロールしたり、血圧を安定させます。
カルシウム 38mg(キャベツは43mg)
骨や歯を形成し、血液にも一定量濃度含まれます。筋肉や神経の働きを正常に保ちます。
人体に最も多いミネラルです。
リン 89mg(キャベツは27mg)
骨や歯、細胞の材料になりエネルギー代謝に関与します。
鉄 1.0(キャベツは0.3mg)
背血球中のヘモグロビンの構成成分として重要です。全身に酸素を供給します。
食物繊維も豊富
ブロッコリー100g中4.4gの食物繊維があります。ごぼうの5.7gには及ばないもののなかなかの含有量です。
ブロッコリーの効果は

朝日放送 デザイナーズフーズプログラムWebページより
アメリカのデザイナーフーズに取り上げられた食品で高い栄養価とその効果が証明されていて、今、もっとも注目されている食品の一つです。
ブロッコリーは抗酸化作用に優れています。
そして美肌効果も期待できます。
ブロッコリーの抗酸化成分 ルティンなどを含んでいます
ブロッコリーの抗酸化作用はβカロテンやルティン、グルタチオンによるものです。
ルティンはカロテノイドの一つで、緑黄色野菜に豊富です。
これらが活性酸素の酸化作用を押えたり、細胞機能障害を防ぎます。
ブロッコリースプラウトも抗酸化作用が高い

スプラウトは野菜を発芽させたばかりの新芽のことです。
ブロッコリースプラウトはブロッコリーのもやしといえます。
このブロッコリースプラウトはがん予防に効果が高いといわれるスルフォラファンが豊富に含まれています。この効果がわかり近年のブームになっています。
抗がん作用に加えて糖尿病の予防にも効果を発揮

ブロッコリーに多く含まれているβカロテンやルティン、グルタチオンには抗がん作用があります。
さらにブロッコリーのクロムが体内のインスリン分泌を促進し糖尿病の予防にも効果があることがわかってきました。
クロムの働きは
肝臓・腎臓・肺などに存在します。
糖代謝、コレステロール代謝に関与、増強しています。
葉緑素の働きは
ブロッコリーのきれいな緑色は葉緑素です。
葉緑素は血液をサラサラにする働きがあり、血管の若さを保ちます。
少しずつでも毎日食べたい食品です。
ブロッコリーの歴史

一つ一つが花のつぼみ
アブラナ科アブラナ属のブロッコリーは和名 芽花椰菜(めはなやさい)、緑花椰菜(みどりはなやさい)といわれ、花蕾(からい)花茎を食べます。キャベツの仲間が原型です。古くから南ヨーロッパで利用されてきました。
20世紀に入ってアメリカで急速に広まりました。
日本へは明治時代初期に導入されました。そして1970年代から消費が増え1980年代に入ってから急増しました。
ブロッコリーの品種
ブロッコリーの株そのものはかなり大きく、使う畑の面積もひと株で1平方メートル程は必要です。
一つのつぼみが大きくなる品種と、次々とつぼみの固まりを分岐する品種、中間の品種があります。
スティックセニョールは

茎も花も食べる「スティックセニョール」はブロッコリーと中国野菜のカイランから生まれました。
【まとめ】ブロッコリーはがん予防や血管のアンチエイジングに大活躍です
ブロッコリーで今、注目されていることはルティンと発芽部分に多いスルフォラフォンの抗酸化作用と発がん物質の解毒作用でがんを抑制する点です。
さらに抗酸化作用があるβカロテン、ビタミンC、ビタミンEもがん予防に働くとともに、免疫力もアップさせます。老化防止にもはたらきます。
茎も一緒に加熱して無駄なく食べたいですね。
お読みいただきありがとうございました。
〈参考〉
- 群羊社:たべもの・食育図鑑
- 小学館:新版食材図典
- 高橋書店:あたらしい栄養学
- 家の光協会:和の薬膳食材手帳
- 女子栄養大学出版部:食品成分表2019資料編
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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