ぶどうの品種は5000種とも1万種以上とも言われ、世界中でもっとも多く栽培されているフルーツです。
その8割はワインになりますが、日本では8割が生食用です。
主成分は果糖とブドウ糖なので素早くエネルギーになり体力回復に役立ちます。
他にもぶどうには効能が一杯。秋の楽しみのぶどうの効能を見ていきましょう。
目次
ぶどうの効能は皮にあり

ぶどうの皮に含まれているポリフェノールの一種、アントシアニンやレスぺラトールには
- 視力低下
- 高血圧の予防
- 肝機能の調整
などの効果が期待できる強い抗酸化力があります。
血液をきれいにし、がんの予防にも効果があるとされています。
ポリフェノールなどの機能性成分は果皮と果肉の間に多くあります。
しっかり洗って皮ごと食べると効率よく栄養が摂取できます。
皮は食べない大粒の実でも、皮ごと口に入れて口の中で果肉を押し出して皮をかみしめてから出すようにすると風味も栄養も無駄なく取り込めます。
ぶどうにはミネラルも豊富
ぶどうには鉄・カルシウム・カリウム・銅・亜鉛などのミネラルも豊富です。貧血予防に効果があります。
ぶどうの成分の特徴
甘みのもとになる糖質はブドウ糖と果糖がほぼ半分ずつでショ糖は少ないです。
糖質は体内で直接吸収されてエネルギー補給に効果的です。
酸味は酒石酸とリンゴ酸が主で、他に少量のクエン酸、コハク酸、シュウ酸を含みます。
他の果物に比べて酒石酸が多いのが特徴です。これらの有機酸はエネルギー代謝を活発にして、疲労回復に効果的です。
タンニンなどのポリフェノールやペクチンも多く含まれていて、抗がん作用も期待されています。
ぶどうの品種
ぶどうは品種によって形、色、香り、食味が大きく異なります。
味だけでなく香りの違いを楽しむのもぶどうの味わいですね。
- 形は円形、楕円形、卵形、円筒、弓形などがあります
- 大きさは1~3g程度の小粒から20gを越す極大粒のものまであります。
- 果皮は色素含有量によって異なります。
- 色は赤、淡紅、紫赤、紫黒、緑、黄など多彩です。
- 香りは強いものから全くないものまであります。
- 食べるときに皮と果肉が離れやすい品種と離れにくい品種があります。
巨峰

日本で最も多く栽培されています。名前の通り房も粒も巨大です。「ぶどうの王様」とも呼ばれています。
主な産地は長野県、山梨県、福岡県、愛知県などです。
巨峰は商標名です。
【選び方】
- 軸が太く、青いものが新鮮
- 房の形が整っていて、実がぎっしりと詰まっている
- 表面に白い粉(ブルーム)をふいているものが新鮮
- 粒に張りとツヤがあり、黒味の強いもの
マスカット

北アフリカ原産で古くから地中海沿岸で栽培されてきたヨーロッパ種の代表です。
世界各地で栽培されています。
おいしいので生食されますが、レーズンやワインにも用いられています。
マスカットの代表的な品種として「マスカット・オブ・アレキサンドリア」があります。
大房で大粒、果実は黄白色で果肉がぎゅっとしまっている高級品種です。
日本では岡山などで栽培されています。酸味が少なく香りも高い品種です。
デラウエア

平成5年までは最も多く栽培されていた品種です。
小房で小粒で強い甘みがあります。
最近では種がない品種が主流です。
レーズン

ぶどうを乾燥させたもので「干しぶどう」とも言いますね。糖度が高いため甘みが強く、主にパンやお菓子になどに使われます。
最近は甘みが強い枝付きのままのレーズンやつや出しのためのワックスなどの添加物なしも増えています。
レーズンは皮ごと食べるので食物繊維が多く、生の8倍とも言われていて、便秘の解消に有効です。
また、干すことで鉄分も凝縮され生の時の20倍になり、貧血の予防にもなります。
登山の行動食にもぴったりですよ。アーモンドと一緒にチャック付きの袋に入れて持ち歩くと重宝です。袋にはプラスチック製のスプーンを一緒に入れておくと手がベタベタしません。
赤ワインと白ワインの違い

ぶどうをはじめ果物にはブドウ糖(グルコース)という糖が含まれています。
そして皮には「酵母」と呼ばれる微生物がついています。
皮がついたままのぶどうを潰すと酵母がブドウ糖を分解して、アルコールと二酸化炭素を作ります。これをアルコール発酵といい、ぶどうからワインができるメカニズムです。
色の違い
赤ワインは皮が濃い赤色または黒紫色をしているぶどうを使います。
白ワインは皮が薄い色をしているものを使います。
味の違い
赤ワインは白ワインより渋みが強いのは赤ワインには皮や種に含まれる苦み成分「タンニン」が入っている果汁を使うからです。
保存方法
洗わずにポリ袋などに入れて野菜室へ入れましょう。
大粒のものは粒を枝から引きちぎると実に穴があき、果汁が出ます。粒をはさみで切り離したほうが日持ちし、おいしく食べられます。
食べきれないときは粒のまま冷凍するとフローズンフルーツを楽しめます。
【まとめ】ぶどうの効能は疲労回復と抗酸化力

世界で最も多く栽培されているぶどうの多くはワインになります。
日本では8割が生食用で甘みが強くおいしいぶどうがたくさんあります。
ぶどうの色素はきれいなアントシアニンなどのポリフェノールで生活習慣病予防や抗がん作用が期待されています。
季節の果物にはたくさんの機能性成分があることに気づかされます。
野菜だけでなく果物もほどほどの量を積極的に食べていきたいものです。
お読みいただきありがとうございました。
〈参考〉
- 新星出版社:日本の食材図鑑
- メイツ出版:食材&食べ合わせまるわかりBOOK
- ナツメ社:日本のおいしい食材事典
- 小学館:新版食材図典
- 群羊社:たべもの・食育図鑑
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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