涼しいヨーロッパ生まれのアスパラガスは春から初夏を感じさせますね。
アスパラガスは生命力が旺盛な野菜と言われます。ひとつの株から何本もの若い芽が出て、どんどん伸び、みずから起き上がる習性があります。
アスパラガスの栄養について見ていきましょう。
目次
アスパラガスの栄養

アスパラガスは光に当てて育てるグリーンアスパラガスと、土をかぶせて育てるホワイトアスパラガスがあります。
栄養価は光に当てて育てたグリーンアスパラガスの方に軍配が上がります。
グリーンアスパラガスに特徴的な栄養価というとなんと言ってもアスパラギン酸です。
アスパラギン酸は注目の成分
アスパラギン酸はグリーンアスパラガスから発見されたアミノ酸の一種です。
アスパラギン酸はエネルギーの代謝に関わっています。
疲労物質である乳糖を分解してエネルギーに換え、新陳代謝、たんぱく質の合成を促進させます。
疲労回復に必要なカリウムやマグネシウムなどのミネラルを各組織へ運びます。体力アップに役立ちます。
また、アスパラギン酸は利尿作用もあり、体内の水分バランスを整え、体に有害なアンモニアを排出させる働きもあります。
このように疲労回復・滋養強壮に効能があるところからスポーツドリンクや栄養ドリンクにも配合されている注目の成分です。
アスパラギン酸を含む食べものは
アスパラガスから発見されたアスパラギン酸ですが、アスパラガス以外の食べものにも含まれています。
- 豆類
- もやし
- 肉類
などに多く含まれています。
穂先にはルチンがあります
やわらかい穂先には生長点があり栄養価が高いとされています。
この穂先には血管を強化するルチンが含まれています。
ルチンは毛細血管を丈夫にすることによって血行を促進、高血圧や動脈硬化を予防する働きがあります。
また、ルチンはビタミンCの吸収を促進したり酸化を防いで、ビタミンCの作用を助けます。
機能性成分は他にも
グリーンアスパラガスには
- β-カロテン・・・体内でビタミンAとして作用。抗酸化作用、抗がん作用がある。
- ビタミンK・・・出血時の血液凝固に関与。骨をすこやかに保つ。
- 葉酸・・・ビタミンB群のひとつ。赤血球や核酸の合成に関与して、貧血を予防。
- ビタミンC・・・皮膚、血管、筋肉、骨などを強化。抗酸化成分としても重要。
などの成分があり、機能成分をバランスよく含んでいる野菜です。
焼く、炒める調理法をおすすめ
グリーンアスパラガスに含まれる豊富なビタミン類を効率よく摂るにはゆでるより焼いたり炒めたりがおすすめです。
炒める時には「斜め切り」にすると繊維が短くなり、短時間で歯ごたえを残しつつ火が通ります。
太いもので下の方の皮が固そうなときは、ピューラーで3cmほど皮をそぐと食べやすくなります。
ゆでる場合はむいた皮を捨てずにゆで汁に加えると香りが移って風味良くゆでられます。
ホワイトや紫もあります

ホワイトアスパラガス
ホワイトアスパラガスは株にたっぷりと土をかけて、日光をさえぎって栽培します。初夏の一時期にだけ収穫できるものです。
グリーンに比べて栄養価は低いのですが、繊細な香りとほのかな甘み、やわらかい歯触りはファンも多く、毎年の楽しみとなっています。
紫アスパラガス
紫のアスパラガスもあります。
色素成分のアントシアニンの色です。ゆでると濃い緑色に変ります。
食味が良いとされ、栽培がすすめられています。
アスパラガスの歴史

アスパラガスはヨーロッパの南部からウクライナ、ロシア南部にかけて野生種がみられる多年草の草木です。
栽培の歴史は古く、紀元前後にはすでに記録が残っています。
日本で一番はじめにアスパラガスを育てたのは 冷涼な気候が似ている北海道でした。
他には九州でもたくさん作っています。山が多く涼しい長野でもたくさん作っています。
南北に長い日本で、南と北で作ると長い間収穫できますね。
近頃では国産のアスパラの前にメキシコ産のグリーンアスパラガスが店頭に並んでいます。太めなので下3cmほど皮をむくと食べやすくなります。
フランスでは春を告げる野菜
私たちが山菜やたけのこに春を感じるように、フランスの人々はホワイトアスパラを心待ちにするようです。
サラダにしてマヨネーズをかけたり、バターと塩コショウで蒸し焼きにとシンプルに味わいます。
【まとめ】グリーンアスパラは疲労回復、スタミナアップに効果的
グリーンアスパラから疲労回復に役立つアスパラギン酸が発見されました。
アスパラギン酸は注目の成分で疲労を回復しスタミナをアップさせます。利尿作用もあります。
穂先に含まれるルチンは血管を強化します、毛細血管を丈夫にしてすることで、血行促進、高血圧や動脈硬化を予防する働きがあります。
外国産のアスパラガスもおいしいですが、国産のもの、特に北海道のアスパラが流通すると夏が来ると実感します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
〈参考〉
- NHK出版:からだのための食材大全
- 小学館:新版食材図典
- 高橋書店:あたらしい栄養学
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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