あしたばは東京の特産品

あしたば

 

摘んでも摘んでも明日には新芽が出ているほど生命力が旺盛なところから名づけられた あしたば。

あしたばは暖かい太平洋沿岸部に自生している植物で、日本が原産といわれています。

房総半島、三浦半島、紀伊半島にもあるそうですが、八丈島や大島など伊豆諸島でも島の生活に欠かせない野草です。。

あしたばは東京の特産品として、学校給食の献立にも登場しています。

 

 

あしたばは東京の特産品

東京のビルと富士山

食育を推進する上で、地域の特産品を知るのは大切なことです。

東京の特産品はなかなか思いつきませんが、そのなかで、伊豆諸島の食材も頑張っています。

伊豆諸島の野菜の代表はあしたばです。

生の他、給食用に冷凍のあしたばがあり、1年中注文できます。

自生しているだけに島毎に形状や色が多少違うそうです。

  • 大島のあしたば・・・茎が赤い
  • 八丈島のあしたば・・・茎が青い
  • 御蔵島(みくらじま)のあしたば・・・茎が太い

 

島の生活とあしたば

「聞き書 東京の食事」という大正から昭和初期にかけての食生活を記録した本に伊豆大島の食が紹介されています。

その中で「山の畑では一年中野菜が絶えない」とあります。作れるものは何でも作り、また温暖な気候を生かして何でも作れていたようです。山間の畑で家で食べる野菜はすべて自給し、買うということはなかった模様。

そして、栽培されている野菜の他に、山野にはあしたばが自生しています。「一年中緑の葉をたたえている。とあります。

このあしたば、育つとを三尺(約90cm)にもなる宿根草です。春と秋の二回、若芽が出ます。

若芽はみずみずしく、筆の穂先のように天に向かってまっすぐ伸びます。この若芽を摘んで料理します。

天ぷらや炒め物、ごま和え、おひたし、酢の物などにして食べました。

 

 

あしたばの栽培

あしたば

あしたばは自生している野草ですが、八丈島を中心とした伊豆諸島で古くから栽培もしていました。

八丈島では、秋に焼き畑に種まきをし、翌年から収穫します。さらにその翌年が最盛期となり、月に1~2回収穫できるそうです。

3年目の開花後に順次株を更新していきます。

 

 

あしたばの栄養・効能

あしたば

あしたばは健康野菜として注目を集めています。青汁の原料としても有名で、お茶などにも加工されています。

そして独特のほろ苦さがある野菜です。

濃い緑色はβ-カロテンがたっぷりで緑黄色野菜の中でもトップクラスとされています。

抗酸化作用があるビタミンC、Eもそろっていて、それらの相乗効果も期待できます。

ビタミンB群も多く、エネルギーの代謝に関わっています。

ミネラル分では

  • カリウム・・・高血圧予防
  • カルシウム・・・骨をすこやかにする
  • 鉄・・・造血作用がある

などがバランス良く含まれています。

また、血糖値の低下、血圧上昇抑制効果が認められています。

 

苦いのはポリフェノールのカルコン

あしたばは切り口から黄色い汁が染み出ます。

この汁がカルコンで強い抗酸化作用と、抗がん作用が期待されています。

ヵルコンは独特の香りと苦みがあります。好みが分かれるところですね。

 

 

【まとめ】あしたばは生命力が旺盛です

今日、葉を摘んでも明日には葉の芽が出ているほど生命力が強いことから「明日葉」と名づけられました。

太平洋に自生する日本固有の野草です。

濃い緑はβ-カロテンたっぷりです。

強い抗酸化力をもつビタミンC、Eが豊富です。

切り口から出る黄色い汁はカルコンで強い抗酸化作用がありますが、独特の苦みを香りがあります。 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

〈参考〉

  • 農文協:聞き書東京の食事
  • NHK出版:からだのための食材大全
  • 小学館:食材図典
  • JA東京中央会 Webページ

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

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管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。