夏の暑さが和らぎ、過ごしやすい秋は大気が乾燥して鼻・のど・肺に違和感を覚えがちです。
五穀豊穣の秋の味覚が出そろう頃、果物もおいしくなります。
秋の果物にはどんな効能があるのでしょうか。昔から取り入れられている薬膳の知恵をひもときながら見ていきましょう。
目次
柿の効果

日本人と長い付き合いの柿は「柿が色づけば医者が青くなる」のことわざ通り豊かな効能があります。
柿については以下の記事もご覧ください。
薬膳の教えでも
- 利尿作用が高い
- 熱を下げる
- 胃腸を強くする
- 口の渇きをいやす
など、いろいろあります。
難点は生の柿は体を冷やす作用があること。先人は柿を天日で干すことで寒性を和らげてきました。
干し柿も生の柿同様、胃腸を丈夫にして消化を促す働きがあります。
また、血液の滞りを取ってシミやそばかすを改善する効果もあります。
白い粉がふいた干し柿は心(しん)や肺の熱を冷まし、乾きを和らげてくれます。
梨の効果

甘くてみずみずしい梨は90%が水分です。この潤沢な水分で肺をうるおし、のどの渇きをいやします。
中国では2000年以上前から「百果の宗(ひゃっかのそう)」として特に珍重されてきました。
日本でも秋から冬にかけては空気が乾燥し、肺も乾いて熱を帯び、咳(せき)・痰(たん)・喘息(ぜんそく)などのトラブルが出やすくなります。これらの症状緩和のため江戸時代の人々も食養生として梨を取り入れてきました。
他に大小便の排泄を促し、むくみや便秘の改善、二日酔いの解消にも活躍してくれます。
梨の薬膳効果については以下の記事もご覧ください。
りんごの効果

ヨーロッパでは「1日1個のりんごは医者知らず」ということわざがあるほど高い薬効を誇っている果実です。
風邪で食欲がないときや胃腸が弱っているときには「すりおろして食べる・しぼって飲む」民間療法があります。
漢方では乾きをいやし、肺をうるおして咳を止めるほか、消化を促す・胃や胸の熱を取ってむかつきや不快感を解消するなどのはたらきが知られています。
りんごの食物繊維は便秘にも下痢にも有効です。加熱するとさらに効果が高まるとか。
皮に抗酸化成分が多いので皮ごと食べましょう。
りんごについては以下の記事もご覧ください。
いちじくの効果

腫れ物全般に効果的とされるいちじくは薬膳では解毒作用が高く、痔やいぼ・のどの痛みに有効とされています。
旧約聖書の中にもいちじくを腫れ物につけて直す記述があるそうで、当時から薬用として珍重されてきた模様です。
腫れ物以外もに胃腸を整えて便通をよくする効果もあります。
よく熟した実を1日に2~3個、生で食べると便秘に効き、干したものや煮たものは緩下剤としての効能があるとされています。
ただし未熟な実には薬効がなく胃が荒れるので注意が必要です。
いちじくについては以下の記事もご参照ください。
かぼすとすだちの効果

小さな実に豊富な果汁と香りは「柑橘界の小さな巨人」とか「柑橘界の小公子」とまでいわれているすだちの魅力は何でしょう。
すだちは薬膳では、魚やきのこの毒消しとされて、焼き魚や天ぷら、蒸し物などによく添えられています。
実際にすだちに含まれるスダチチンなどのポリフェノールやカリウム、ビタミンCの効果で抗酸化作用や肥満予防、血行促進などの効能が認められ、注目されています。
かぼすは大分県の特産品です。特に魚料理と相性がよいとされます。
すだちもかぼすもいずれもミカン科で似た効能を持っています。
酸味はクエン酸が主体です。疲労回復効果が期待できます。
かぼすとすだちについては以下の記事もご覧ください。
プルーンの効果

西洋すもものことで欧米ではミラクルフルーツと呼ばれています。
カロテンの含有量が群を抜いて多く、肌荒れを改善して美肌が期待できる女性にうれしい果物といえます。
皮にはポリフェノールがたっぷりなので、皮ごと食べるのがおすすめです。
鉄分が豊富で貧血に頼もしい造血作用でこれも女性の味方となってくれます。
鉄分は生よりドライプルーンの方が季節を問わず手軽に食べられます。年中薬効を取り入れられますね。
プルーンについては以下の記事もご覧ください。
【まとめ】秋の果物の効果は体が欲しているものです

秋の果物には体をうるおす作用があるものが多くあります。乾燥した季節にはうれしいみずみずしさです。
旬・・・私たちがおいしいと感じるときは体が欲しているときといえます。彩り鮮やかな秋の実りを
いただいて、その効果効能で体を喜ばせましょう。
お読みいただきありがとうございました。
〈参考〉
家の光協会:和の薬膳食材手帳
☆管理栄養士 すずまり が書きました。
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