アジの栄養で背青魚のパワーを取り込みましょう

アジ

 

わたくし事ですが、アジが大好きです。アジといえばマアジ。お寿司はまず、アジ(とホタテ)です。

子供の頃はアジの煮付けアジの干物がよく食卓にあがりました。今も以前も、町中の暮らしですが、これが海の近くでしたら、干物より生で食べることが多かったと思います。

今は町のスーパーでもかなり新鮮な魚が売られるようになりました。アジのお刺身やたたきがトレーに入って手軽に食べられます。仕事帰りにスーパーに遅く行くと値引きされていて、つい買っていました。折しも、「二日に一回、背青(せあお)魚」と言われます。アジの栄養を取り入れましょう。

 

 

アジの栄養 ① たんぱく価が高い

鯵の刺身

魚には私たちの体を作る、体たんぱくになりやすい「良質たんぱく質」が豊富です。アジは特に私たちの「血や肉になりやすい」食品で「プロテインスコア」は100です。

プロテインスコアについては以下の記事もご覧ください。

たまごは物価の優等生は本当か他の食品と比べてみる

 

「まあじ 皮つき 生」と「さんま 皮つき 生」100g中のアミノ酸の成分構成はつぎの通りです。栄養価の単位はmgです。

まあじ さんま
イソロイシン 850 840
ロイシン 1500 1400
リシン(リジン) 1800 1600
メチオニン 580 560
シスチン 200 200
フェニルアラニン 780 750
チロシン 670 630
トレオニン(スレオニン) 890 850
トリプトファン 220 220
バリン 960 960
ヒスチジン 780 1200
アルギニン 1200 1200
アラニン 1200 1100
アスパラギン酸 1900 1800
グルタミン酸 2800 2500
グリシン 1100 1100
プロリン 750 750
セリン 790 760
ヒドロキシプロリン 110 120
アミノ酸 合計 19000 19000

アジ、サケ、サンマ、マグロ等もプロテインスコアは100です。

たんぱく質、アミノ酸、プロテインの使い分け

たんぱく質を構成する最小サイズの成分がアミノ酸で、それぞれ独自の働きがあります。

プロテインはたんぱく質のことです。ギリシャ語の「第1のもの」が語源です。日本ではプロテインというとサプリメントをさす言葉としても使われていますね。

 

 

アジの栄養 ② タウリンが豊富

タウリンは魚に多い、含硫(がんりゅう)アミノ酸の一種です。血中脂質のバランスを改善する肝機能を高める血圧を下げるなど、多くの作用があるといわれています。

含硫アミノ酸はイオウ(硫黄)と結びついたアミノ酸です。メチオニン、シスチン、システインの三種が知られています。

 

 

アジの栄養 ③ 不飽和脂肪酸が豊富

アジのたたき

背青魚には生活習慣病の予防にありがたい不飽和脂肪酸を多く含んでいます。

 

 

不飽和脂肪酸 ① イコサペンタエン酸(IPA)が豊富

IPAは血液の粘度をさげて、血行をよくします。善玉コレステロールを増やすので生活習慣病の予防にも効果的です。

 

不飽和脂肪酸 ② ドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富

DHAを十分にとることで脳の神経細胞が活性化され、老化抑制や認知症の予防になると言われています。さらに記憶力や学習能力の向上、視力の回復、抗炎症作用などもあります。

 

 

アジの栄養 ④ カリウム

マアジのカリウムは皮つきの生100g中に360mg ブロッコリーの360mgと同等です。

カリウム細胞内の水分量を調節し、筋肉の働きをコントロールしたり、血圧を安定させたりします。

 

 

アジの栄養 ⑤ カルシウム

マアジのカルシウムは骨ごとの皮つき生で66mgです。

水煮缶詰などでは骨ごと食べられるのでカルシウムの補給になりますね。

 

 

アジの栄養 ⑥ ビタミンB2

ビタミンB2三大栄養素の代謝に関わる「発育のビタミン」また、「細胞の再生を助けるビタミン」とも言われています。

幅広い食品に含まれていますので不足にはなりにくく、たくさんとると尿に排泄されるので過剰症の心配もありません。

 

 

アジの味の特徴

味が良いから「アジ」と言う名前がついたそうです。

マアジのうまみ成分は

  • アラニン
  • グリシン
  • グルタミン酸

などの遊離アミノ酸が多く含まれています。これらのエキス分と脂肪が混ざり合い、独特のうまみがあります。

肉に脂肪は多いですが味にクセがなく、たんぱくです。刺身、たたき、塩焼き、干物、揚げ物とさまざまに料理されています。

 

 

アジの旬

アジは世界中の暖かい海に広く分布しています。暖流に乗って小回遊する魚です。味がよいので日本だけでなく世界中で生鮮魚として喜ばれています。

日本近海で1年中とれますが、旬は夏とされています。

 

 

【まとめ】味がよいアジで「二日に一回背青魚」をクリア

アジをはじめとしてイワシ、サバ、サンマなどの背青魚を普段から食べているとよいといわれます。

アジは脂ののりも程よく、クセがない味で飽きずにいただけます。体によい不飽和脂肪酸もたっぷりです。いろいろな食べ方でアジの栄養を取り入れましょう。

 

お読みいただきありがとうございました。

〈参考〉

  • 小学館:新版食材図典
  • 高橋書店:あたらしい栄養学
  • 家の光協会:和の薬膳食材手帳
  • 西東社:薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帳
  • 群羊社:たべもの・食育図鑑

 

☆管理栄養士 すずまり が書きました。

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管理栄養士のすずまりです。 食べものの文化的な側面など「おとなの食育」の観点から書いています。